カテゴリー別アーカイブ: 活動報告

11月定例症例検討会

11月16日には定例症例検討会が実施されました。宮崎医師が症例提示を行いました。児童精神科診療においては時として、その病状は親の方が重篤であることはしばしばです。子どもの不登校の背景に、精神疾患を患う親から離れられない、目を離せば何か大変なことが起きてしまうかもしれないという不安の中で仕方なく自宅閉居をしている子があります。逆境の中、ヤングケアラーとしてなんとか生きている子ども達が「不登校」や「自傷」などを主訴として外来につながることがあります。こういった場合は、子どもを労いながら家族全体の支援を考えていく必要があり、地域との緊密な連携が必要です。児童精神科医がリーダシップを取りながら、必要な手当てを全員で考えていくプロセスの中で回復していく子どももいるのです。宮崎医師にとっては、あらためて子どもと家族に向き合う決意につながる症例検討会となったようです。

第63回日本児童青年精神医学会松本総会

11月10日~12日まで長野県松本市のキッセイ文化ホールおよび松本市総合体育館において、第63回日本児童青年精神医学会総会がハイブリッドで開催され、横浜市立大学児童精神科からも演題発表を行いました。附属病院の藤田純一医師より「児童青年期の自殺企図者に併存する精神病症状の6か月追跡調査」、附属病院の太田陽医師より「子どものこころ専門医研修をはじめた小児科医のコンサルテーション・リエゾン症例を通した学び」、市民総合医療センターの浅沼和哉医師より「ゲーム障害に対する集団精神療法①自閉症に関する予備調査」、市民総合医療センターの重井和真医師より「コロナ禍の摂食障害患者に併存する抑うつ・不安症状に関する調査」の合計4演題でした。その他、OBである横浜市東部地域療育センターの高橋雄一先生、神奈川県立こども医療センターの山本恭平先生も演題発表をされており横浜市での活動が沢山発信された会となりました。

11月レジデント抄読会

11月2日には附属病院の太田医師、深津医師、市民総合医療センターの重井医師らによる臨床疑問の提示とそれに沿った文献紹介が行われました。太田医師はなかなかよくならない不安症の子どもに対するSSRI以外の次の一手はないかと模索した結果、カンナビジオールというサプリメントに着目しました。(Berger M., et al. Cannabidiol for Treatment-Resistant Anxiety Disorders in Young People: An Open-Label Trial. J Clin Psychiatry, 2022. )これは難治性てんかんの治療薬として一部の医療機関で治験が実施されている大麻由来の成分でネット通販でも実は手に入れられるものです。ただし、これはオープンラベルのシングルアームデザインということから、まだまだ臨床的には提案できるものにするには程遠いこと、大麻使用に敏感な日本人の国民性を考えると慎重な議論が必要であることなどが話し合われました。深津医師は神経性やせ症のお子さんへの治療動機づけの一つとして脳MRI画像を説明に用いることがあるのですが、やせに伴う脳の萎縮がどの部位におき、臨床的意味がどの程度あるのかについて興味を持ちました。(Brodrick BB., et al. Structural brain differences in recovering and weight-recovered adult outpatient women with anorexia nervosa. J Eat Disord. 2021)神経性やせ症において、急性期では灰白質や白質の萎縮が全般的に起こることはこれまでの研究で知られていることですが、脱水などの影響もあるため神経性やせ症の臨床特徴につながる部位はどこなのかマスクされてわかりにくいというのが問題でしたが、この論文では急性期、回復期の両時期で画像を比較することで脳の形態変化が回復期も続いている部位を明らかにしたものです。この研究では右側の前頭眼窩部の萎縮が持続的に起こっていることが示されていました。この部位は報酬系や意思決定、行動制御に係る脳領域であり、神経性やせ症自体の臨床特徴に関与する可能性があります。あくまで形態変化を観察しているものなので、機能的にはどのような変化があるのかはまだまだ未知の領域ですが、興味深い内容でした。重井医師は強迫症の治療の際に、どのようにSSRIを増量すべきか、どの程度の量で効果があるのかを患者さんにうまく説明したいということから強迫症で適応があるFluvoxamineとうつ病に一般的に用いられるSertralineの治療効果を検討しました(Brar J. et al. Effect of sertraline and fluvoxamine on quality of life in patients with obsessive-compulsive disorder: A 12-week interventional study. Ind Psychiatry J. 2021)それぞれを50㎎から開始し100㎎まで増量する試験でしたがFluvoxamineは100㎎まで直線的に効果が高まるのに対し、Sertralineは途中で頭打ちとなりました。これは我々の強迫症に対する臨床実感を裏付ける内容で、その他の抗うつ薬についての臨床実感も参加者の間で話し合われました。

10月定例症例検討会

10月19日は定例症例検討会が開催されました。担当は附属病院の太田先生でした。子どもの登校困難感やネット依存傾向が話題になっていましたが、その背景には発達障害特性の存在とその特性と本人の行動の因果関係が十分に理解されていない家族があったようです。子どもの行動と家族の訴えに耳を傾けながら、元来の本人の特性と環境のミスマッチがどのようにして起こっているのか、みたててはフィードバックすることが重要になります。みたてと気づきを得るための積極的な傾聴と信頼関係を築くための受容的な傾聴のバランスに留意する必要があります。

9月定例症例検討会

9月21日に定例症例検討会が開催されました。担当は市民総合医療センターの重井医師でした。まだ小学生の子どものファンタジック、もしくは魔術的な思考や言動が診療中に語られたとしても、それを病的と捉えることはありません。しかしながら、食事摂取にも支障をきたすほどの被影響体験があるような精神病状態の場合は統合失調症に準じて治療を行います。児童期~前青年期において発症する統合失調症は非常に稀であり抗精神病薬を十分量使ったり、管理が厳重な電気けいれん療法やクロザピンを選択するのは臨床医としては躊躇しやすい状況です。当日は児童青年期におけるARMSの状態と精神病の顕在発症の状態の峻別について議論がなされました。

8月定例症例検討会

8月17日は定例症例検討会が開催されました。深津医師に担当をいただきました。栄養摂取を勧める医師と肥満恐怖に苦しむ患者が治療継続をめぐって、葛藤することはよくあり、これをどう励ましつつ健康的な部分を増やしていくかが難しいところです。家族療法では治療の責任を家族に担ってもらいながら、医師は治療経過に伴走するという形をとります。しかしながら、患者のそばで暮らす家族、特に母親が病状を背景とした治療抵抗に抗いきれなくなることもしばしばです。医師は抵抗にある家族の中の裏事情になかなか踏み込めず、表面的な会話と治療の継続もしくはプラン変更をめぐるせめぎ合いに外来場面では終始してしまい往々にして悩みます。当日はこの母親をどう勇気づけるか、治療場面に登場させる人物として誰が適切なのか、登場人物が複数になる場合に医師はどうマネジメントするのかについて話し合いました。

8月レジデント抄読会

8月3日にレジデントによる抄読会が開催されました。市民総合医療センターの重井医師よりThomas J. et al. Cognitive-behavioral therapy for avoidant/restrictive food intake disorder (CBT-AR): Feasibility, acceptability, and proof-of-concept for children and adolescents. Int J Eat Disord. 2020が紹介され回避制限性食物摂取症の認知行動療法の効果について議論されました。報告では10~17歳の20名が参加した試験で85%が症状の改善を認め、約16種類の新規の食べ物を口にすることができたとされています。軽症者を扱ったことやシングルアームであることが弱点ですが、治療技法をイメージするのに役立つ内容でした。症候や栄養学に関する心理教育を十分行い、モニタリングをさせながら栄養摂取を促すというシンプルな構成です。残念ながらプログラムのマニュアルは日本では入手できないようで今後の翻訳が期待されます。そして、附属病院の太田医師よりAgostinio H. et al. Trends in the incidence of new-onset anorexia nervosa and atypical anorexia nervosa among youth during the COVID-19 pandemic in Canada. JAMA Network Open. 2021が紹介されコロナ禍での児童青年期の摂食障害患者増加が世界的に起こったことについて議論されました。日本においても緊急事態宣言が発出された第1波の直後は神奈川県内の複数の施設で摂食障害患者が重症化して入院となっており、関係者を悩ませていました。休校措置などにより女子の社会的つながりが途切れ、抑うつや不安が増加するとともにSNS主体のコミュニケーションが自己イメージを不確実なものにしていったのかもしれません。若年女性の自殺者数の増加も問題となりましたが、緊急事態宣言による社会的隔離の実施は若者に弊害をもたらしました。さらに、附属病院の深津医師よりHaghayegh S. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2019が紹介されました。深津医師は無類のサウナ好きですが、睡眠に対する温浴効果を子どもと家族に伝えるための根拠を探してみたそうです。温泉文化の日本発の研究も複数含まれたメタ解析でした。40~42.5度の温浴を就寝の1~2時間前に行うと入眠時間の短縮や睡眠効率の改善につながります。このメタ解析の対象が18歳以上であったので議論は慎重にすべきですが、眠れないと訴える子どもに対して睡眠導入剤を検討する前に足浴の実施などについて看護スタッフと話し合うのは有意義なのではないか?という議論がありました。

The 22nd World Congress of Psychiatry

市民総合医療センターの宮崎医師が 8月4日に 開催された第22回世界精神医学会におけるシンポジウム「Comobidity of depression and psychiatric disorders」にてDepression and adjustment disorders in children and adolescentsと題した発表をオンラインで行いました。宮崎医師は適応障害とうつ病において家庭環境、友人関係、学業負担が自殺の背景となりやすいことと同時に、家族と相談できる関係が自殺リスク軽減に重要であることを示し、家族機能を高める働きかけが重要であることを提言しています。

7月定例症例検討会

7月20日には定例の症例検討会が行われました。重井医師が担当をしてくださいました。甘えるのが苦手な完璧主義の女児とそのご家族に心理評価をどうフィードバックするのかという課題が話し合われました。駆け出しの精神科医にとって、心理検査結果を読み解くことは結構難題です。「情緒の発達の遅れ」とか「不完全な愛着形成」とか「自己の肥大化」など、耳慣れない、とらえようによってはショッキングな言葉が心理検査結果のサマリーには並ぶことも多いでしょう。「お母さんは優しくてなんでも聞いてくれる素敵な人です」と模範解答のような家族像を語る子やうちの子は非の打ち所がないと考えている家族にそんな結果をそのまま返すことは到底できません。なぜ検査を担当した臨床心理士がそのような結果を出しているのか、なかなかイメージできないのは精神科医一年目であればよくあることだと思います。担当者と膝をつきあわせて解釈について議論することももちろんですが、今回のように心理検査のどこが臨床像に符合するのか症例検討を通して理解をふかめる経験もとてもよいことです。宝の山である心理検査結果を生かすも殺すも説明する臨床家の意識次第ですので、重井医師には今回の症例経験をもとにスキルを高めていただければと思います。

6月定例症例検討会

6月15日に定例の症例検討会がありました。小児科専門医を取得後、児童精神科の道に飛びこんだ太田医師が担当しました。過去に自らが勤務した小児科病棟にコンサルテーション・リエゾンで関わった経験を発表していただきました。小児科医であった自分が、元同僚にコンサルトを受ける経験は戸惑いの連続だったようですが、小児科医と精神科医の立ち位置を考察する貴重な経験となったようです。

6月レジデント向けクルズス

6月1日にはレジデントの深津先生、重井先生、太田先生からのリクエストをテーマにしてレジデント向けクルズスがありました。宮崎先生より「子どもの自傷・自殺」、浅沼先生より「愛着障害などの情緒障害」について話題提供がありました。子どもの自殺予防と虐待などにより傷ついた子どものあり方を知り適切に関わることは児童精神科において重要なテーマですので、研修のスタートを切った三人の先生方には重要な内容でした。

5月定期症例検討会

5月18日には定期症例検討会が開催されました。市民総合医療センターのレジデントである重井医師が担当となりました。最近、重井医師が学んでいるFamily Based Treatmentの観点から治療を検討したところ食事場面も含めて子どもと家族の具体的なあり方や日常生活風景がぼんやりしたまま再栄養が繰り返されていたことが明らかになった 神経性やせ症の 一例でした。 重井医師は入院の反復がないよう、つぶさに子どもと家族のあり方を観察しながら違和感をフィードバックしているようで、今後の経過に期待のもてる内容でした。

5月レジデント抄読会

5月12日にレジデント抄読会を開催しました。若手の太田医師、重井医師、深津医師がそれぞれ臨床疑問の紹介と文献紹介をしました。太田医師からは過去に本邦で実施された自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールのランダム化比較試験について、深津医師からはカナダで行われた10代の患者さんへのクロザピン使用例のケースシリーズについて、重井医師からはオランダで行われた児童青年期の摂食障害の強迫性と学業成績との関連に関する横断研究について紹介がありました。それぞれ興味深い内容で活発な議論が行われました。

4月定期症例検討会

令和4年度がスタートし、4月27日に新年度最初の症例検討会を開催しました。児童精神科新メンバーとして、附属病院には子どもの心専門医レジデントの太田医師、シニアレジデントの深津医師の2名を新たに迎え、市民総合医療センターには救急から戻った宮崎医師、シニアレジデントの重井医師を迎えました。大幅な医師の入れ替えがあったこともあり、病棟業務もたて込んでいて古株の藤田医師が症例検討を担当しました。患者さんからの自殺のSOSを受けながら、なんとか実行することを思いとどまって欲しくても、うつ状態が悪化してそのSOSがなかなか医に届かないことがあります。病状の悪化を見極め、早めに入院などでの保護ができればよいのですが、入院待機も多くいるとその見極めがさらに難しくなることがあります。当日は病状見極めのための医師のスキルや県下全域におけるタイムリーな病床確保の難しさについて話し合いました。

3月定例症例検討会

3月16日は令和3年度最後の症例検討会となりました。症例提示は宇賀神医師にお願いしました。医療受診をする子どもの背景に現在進行中の虐待や逆境体験が明らかになった時、児童精神科医は子どもの安全と安心を担保することから考えなければなりません。それは精神科治療をどうするか、の前にある重要な事柄ですから、子どもの安全が守られない状況があれば積極的に児童相談所などの専門家と協議の上方針を決定していきます。子どもと家族の受診が途切れがちで接点が持ちにくい場合、子どもや家族と信頼関係が築きにくい場合、語られる情報が不明確な場合、など複数の困難事例がありますが、児童精神科医が子どもの安全を守るためにどのような振る舞いをするのか、誰にまず連絡を取るのか、など具体的な議論ができた会となりました。当日は、児童相談所に情報収集に赴いたり、キャンセルの電話はすべて自分で受けて子どもと接点を持とうとするなど、奮闘する精神科医一年目の宇賀神医師の様子が伝わりました。

3月レジデント抄読会

3月2日はシニアレジデントのお二人に文献紹介をしていただきました。武越医師からは「 Izquierdo A., et al. Implicit attitudes toward dieting and thinness distinguish fatphobic and non-fat-phobic anorexia nervosa from avoidant/ restrictive food intake disorder in adolescents. Int J Eat Disord, 2019」宇賀神医師からは「Mairhofer D., et al. Short-Term Outcome of Inpatient Treatment for Adolescents with Anorexia Nervosa Using DSM-5 Remission Criteria. J Clin Med, 2021」を紹介いただきました。回避制限性食物摂取症と神経性やせ症でダイエットを連想させるキーワードや画像に対する反応の違いを検討した研究と数か月単位での一般的な病棟治療がどの程度摂食障害の寛解に寄与するかを検討した研究の2つでした。神経性やせ症で肥満恐怖がはっきり示されないケースはよくあり、その鑑別に苦慮することもあります。また、摂食障害の入院治療の成果が他の施設と比べてどうなのか?はそれぞれのレジデントにとって身近な臨床疑問でした。この2つの研究結果をもとに日頃の臨床の話題にまで議論は展開して興味深い内容となりました。

2月児童精神科主催定期講演会(新井Dr講演)

神奈川県立こども医療センター児童思春期精神科を長年牽引されてきた新井卓先生が今年度をもって退職されることになりました。四半世紀以上、神奈川県の児童精神科医療を見守られてきた立場から2月16日にお話しいただきました。児童精神医療は歴史の浅い診療分野です。その黎明期から50年以上経過した現在も発達障害なのか、精神病性障害なのか、議論が別れて治療方針が定まらない症例は沢山あります。曖昧模糊とした臨床上の課題を放置せず、問題にぶつかる度に丁寧に問いをつきつめてこられた新井先生の姿勢を拝聴することができました。また、その深い臨床知は神奈川県立こども医療センターという、子どもたちの成長と共に歩みを続けた病棟治療文化の中で生まれたものであることも盛んにおこなわれたディスカッションの中でうかがい知ることができました。当日は後日視聴申し込みも含めれば80名を超える参加者で盛況で終了しました。

2月定例症例検討会

2月2日に定例症例検討会が開催されました。症例提示は武越医師に担当いただきました。拒食とやせ、同時に過食、そして抑うつ症状と摂食障害の患者さんは複数の症状を併存していることはしばしばありますが、限られた入院日数の中で体重減少による身体不調の治療を行うのか、過食衝動と肥満恐怖で揺らぐ自己コントロールの問題を扱うのか、それとも抑うつ症状の背景にある家族の問題を扱うのか、ある程度焦点を絞る必要があります。肥満恐怖がある場合は治療に抵抗を生じる時期を乗り越えなければならないので、体重増加を狙う場合は強制力のある入院形態を選択せねばなりません。過食衝動や抑うつを扱う場合は、本人が治療に取り組めるようその目的を共有し任意性の高い入院とする必要があります。こういった入院目標を整理するプロセスの重要性を確認しました。

1月定例症例検討会

1月19日には2022年最初の症例検討会が開催されました。宇賀神医師に症例提示をいただきました。コロナ禍以降、摂食障害患者の重症化が言われており、入院を繰り返す子ども、なかなか退院できない子どもが増えてきています。重症なケースは再栄養を行う際の治療抵抗に難渋し、栄養の増減の交渉に終始するやりとりで医師やスタッフだけでなく、家族も疲弊していくものです。さらに併発する電解質異常やイレウスなど身体管理が必要な状況が起こってくるときに、子どものためにどんな精神療法が提供できているのか、関わっている医師自身が迷うこともあるでしょう。子どもと家族の長かった経過を理解し、回復のための強みをじっくり探しながら焦らずケアすることこそが何よりも大事なのですが、「なんとかしてあげたい」という思いが関わる医師自身を悩ませることもしばしばです。当日は急性期治療にありがちな治療者の悩みを皆で共有しました。

12月定例症例検討

12月15日に今年最後の症例検討会を行いました。青木医師に担当いただきました。主治医と子ども、家族との間で治療方針が共有しにくいことがあります。それは子どもの表現力の問題、子どもや家族が問題について腫れ物扱いとなって語れない場合、主治医の説明が拙いせいで治療の主旨を十分理解できていない場合など様々です。食い違いがあるまま、薬物療法や入院治療などそれなりの侵襲の可能性と同時に、子どもや家族側に何らかの期待を含む決定を主治医が行った場合に治療への失望につながることもあります。治療方針を十分吟味しながら焦らないという精神医療に限らない基本事項について確認しました。