9月定例症例検討

9月20日には定例症例検討会が開催されました。症例提示は市民総合医療センターの太田医師が担当しました。神経性やせ症のお子さんは再栄養に強い抵抗を示すために担当医との信頼関係を築くことに難渋することがあります。また、元来の不安特性や双方向的なコミュニケーションの苦手さから上手に関係を築くことも苦手なことがしばしばです。またその親御さんもしかりです。そんな事情もあって、急性期の場合には1~2か月はベッドサイドで話も弾まずに、事務的な治療方針のやり取りをしてはその子自身の人となりを垣間見る満足感も得られないもやもやとした関りが続くことがあります。子どもが発する言葉や表現が少ないと病状を抱える子どもの家庭や地域での生活の姿がイメージできないこともあります。そういう時の症例検討は得てして参加者に子どもや家族のイメージが伝わらずにもどかしい時間が過ぎることもありますが、そのもどかしさについて当日は様々な意見が交換できました。治療者の投げかけに対するふとした表情や背を向ける態度ひとつひとつをつぶさに観察し言葉以外のメッセージを汲み取ることの重要性や難しさが語られていました。