大学院・博士号取得について
更新日:2020年7月18日
医学にはまだまだ解明されていない疑問がたくさんあります。人それぞれ研究に対する動機は異なるかもしれませんが、幼少期に自分が罹患した疾患の病態を解明したい、小児科医として働く日々の中で、沸き起こる疑問の数々を解決したいなど、医学研究の推進も医療の進歩にとって重要です。忙しい臨床の日々の中でふと立ち止まり、視点を変えて基礎系の研究室の先生方と連携して研究をし、得られた知見を臨床の現場に還元する。このような経験は医師としての視野を拡げ、子どものより小さな変化に気づくことが出来る洞察力をもたらしてくれるはずです。
横浜市立大学小児科では、標準年限である大学院の 4 年間を利用してどのような研究を行うかを自分で決めることが出来ます。基礎、臨床、データベース研究を 3 本の柱としており、基礎系の研究室と連携し、どっぷり基礎実験を行う、社会人大学院生として、二次病院で働きながら患者さんのデータを収集・解析して臨床研究に従事する、さらには、近年重要性が増し注目されているデータベースを用いた研究にも注力しています。本学データサイエンス学部、成育医療研究センター、京都大学などと連携し、疫学調査の結果や医療保険情報などのリアルワールドデータを解析し、その成果の実臨床、公衆衛生、政策への還元を目指しています。
研究を行う場としまして、神奈川県立こども医療センター、国立成育医療研究センターの両施設は横浜市立大学の連携大学院となっているため、4 年間これらの施設で研究を行うことも可能です。また、これらの施設以外でも 4 年間のうち 2 年間は学外での研究活動が認められていますので、国内留学という形を取り、他大学や研究所で研究活動を行うことも可能です。さらに、横浜市立大学では乙号制度での博士号の取得が可能です(論文博士)。
臨床医としての側面の強い小児科医にとって、基礎研究の成果を臨床医学へ橋渡しをするトランスレーショナルリサーチを発展させることが、醍醐味とも言えます。多彩な疾患を呈する小児に対して、『全身を診る』というスタンスは generalist である小児科医ならではの気づきをもたらすことが可能であり、小児科学の発展は幅広い生命科学現象の解明に繋がるものと思います。横浜市立大学小児科では幅広い分野において、臨床・基礎問わず様々な研究を行っております。詳しくは、当科ホームページの『研究室の紹介』をご覧ください。
これまでの大学院生としての留学先は以下の通りです。
- 国立成育医療研究センター
- 東京大学医科学研究所
- 神奈川県立こども医療センター
- 京都大学大学院