5月定例症例検討会

5月17日は定例の症例検討会が開催され、浅沼医師に症例提示をいただきました。神経性やせ症の背景には、自閉スペクトラム症や注意欠如多動症など神経発達症による生きづらさを抱える人たちが多くいます。特に女子は目立たぬよう規範に沿いながら、こじんまりとした生活を心がけている子どもたちも多くいて学校も家族も「大人しい子」くらいの認識でずいぶんと時間が経ちます。中学校以降になるとじわじわと強まる不適応感から抜け出そうともがくうちに摂食障害を発症していく事例が多くあります。「大人しい子」というベールをかぶった生きづらさを再定義し、これからの指針を示して伴走する必要があるのですが、決められたレールに沿って進んできた子どもを発達特性に沿った環境へ方向転換させるには精神科医としての上手なコミュニケーションと合意のプロセスが求められます。摂食障害は確実な再栄養と十分な療養期間がないと回復しないわけですが、ここに進学・就労のタイミングが重なって将来を見据えた判断をしなければならないときに悩みが生じるものです。当日はその判断の難しさについて話し合いました。