4月定例症例検討会

新年度は新たな若手医師を迎え、児童精神科チームがスタートしました。最初の症例検討会は藤沢病院から戻られた青木芳子医師に担当いただきました。大学病院を離れる前から解離や自傷行為、心理的虐待を背景に児童相談所も巻き込んで苦心した経過の症例でしたが、1年を経て戻ってもなお、その情緒の安定には治療と支援の継続が必要だと再認識された経験を報告されていました。解離症状や自傷行為を前にどのような対応をすれば良いか、上手に外来診療を切り盛りできるのだろうかと不安を感じる若手医師も多く、様々な感想がありました。ただ、そこは子どもと家族の未来を信じながら激しく多彩な症状の裏側にある生きづらさはどこにあるのか、逆境体験なのか、発達障害的特性と環境のミスマッチなのか、不安障害や気分障害が重層しているのか見立てをしっかりしながら方針を共有することにつきることを確認しました。診療の基本に立ち返る重要な症例検討会となりました。