2月定例症例検討会

2月15日は定例症例検討会が開催されました。当日の症例提示は深津医師が担当しました。外来診療の中で子どもの表現が淡泊なために、その苦悩がつかみにくいことがあります。往々にして、そのような場合に家族からもどのような経過で子どもの不調が生じたのか、どのような対処をこれまで繰り返して病院にたどり着いているのか五里霧中のままに診察が進むことがあります。みたてと方針がすんなり決まらない症例です。一方で自殺行動や極端なやせなど医療的介入が急がれる事態が生じると、保護のための入院ニーズが生じてきます。ただ、そういう局面においても何のための入院となるのか、どんなことを期待する入院なのかが十分詰まらないままに入院治療がスタートすることが、医師の駆け出し時代にはよくあるものです。主体性を重視して任意入院とするのか、病識がないと判断して医療保護とするのか、開放病棟でよいのか、閉鎖病棟でよいのか、事が生じた時には行動制限をするのか、それとも仕切り直しの退院にするのか、みたてを深めるためにはどのように主治医として関わるのか、家族の面談はどうするのか、そんな迷いと試行錯誤について様々な議論が交わされた症例でした。