6月定例症例検討会

6月16日には定例症例検討会が開催されました。附属病院レジデントの武越医師が症例提示を行いました。抑うつ状態や自傷行為など明らかな精神不調があるにも関わらず、症状について子どもと対話ができない武越医師の悩みを検討しました。言葉でのやりとりを中心とした面接が膠着する背景は複数想定されますが、なんとかしたいと焦る医師は自ら治療技法に問題があるのではないか?と内省しがちです。そのような態度ももちろん大事ですが、その前に面接場面のセッティングで医師と1対1の対話をすることに緊張を感じているかどうか、家族が同席していた方が話しやすいのではないか、逆に家族がいることで切り出せない話題はないのか、などを考えることも必要です。また、子どもの表現力もそれぞれですので、能力検査や性格検査を実施しながら、どの程度の表出が期待できるのか査定することも必要になります。作業療法や遊戯療法など非言語的な治療アプローチから入りながら子どもと関係を作っていく必要があるかもしれません。後日、症例検討会での助言は実際の診療に活かされ、家族同席での面接で子どもの笑顔も垣間見られて武越医師もホッとできたとのことでした。