5月シニアレジデント抄読会

5月12日はシニアレジデント抄読会を開催しました。成人グループで研修中のレジデントの先生方にも参加いただき活発な議論となりました。市民総合医療センターの宇賀神北斗医師より「 Predictors of psychotic symptoms among young people with special educational needs」、附属病院の武越百恵医師より「Effectiveness of enhanced cognitive behavior therapyfor eating disorders: A randomized controlled trial」の2つの論文について各自の臨床疑問と共に紹介をいただきました。1つ目の論文は特別支援学校に通う子どもたちについて将来の精神病発症を予測するための観察項目としてCBCLによる行動障害の評価とSISによる精神病症状の評価が有効かどうかを示したものですが、陽性的中率26%という結果を慎重に解釈する必要があること、むしろ陰性的中率が97%という結果は将来の発症を予測しない場合に有効化もしれない、などの議論となりました。2つ目の論文は平成28年度から保険適応となっている摂食障害に対する認知行動療法CBT-Eの効果を通常治療(TAU)と比較したものでした。この論文で取り上げられたオランダの摂食障害治療センターの治療はCBT-EおよびTAU両群とも日本の摂食障害診療の現状と比べて質および量ともに上回っていることを前提に我々の診療への適応可能性について議論し、少しでも摂食障害診療の底上げをしていく必要性があることを確認しました。