3月定期症例検討会

3月17日は今年度最後の定期症例検討会を開催しました。1年間を通してWeb開催となり、皆様とお会いできない1年間で終わったことがとても残念でした。今年度最後の症例提示は浅沼医師が担当しました。児童精神科医としてかれこれ10年間のキャリアとなる医師として、小学生時代から担当していた子どもが児童精神科の卒業をどのようにしていくべきなのか、成人期へのトランジションの問題を皆で考えました。医師と子どもとの相性もありますが、子どもが信頼を寄せるからこそ、医師は子どもの期待に応えて回復の経過に寄り添うことができます。浅沼医師は自分の関与が子どもの自立を妨げることにならないのか、まるで子離れを迫られる親心のような気持ちで葛藤しているようでしたが、医師が診療ができる範囲の中で子どもの希望に沿いつつ、子ども側の生活の事情(大学の通学の事情や就労など)に合わせて支援を移行していくことが現実的なのではないかという意見が多数でした。成人を主に診療している精神科医から見た児童精神科医像は様々です。子どもを抱えすぎて自立を妨げているようにも見えるかもしれませんし、逆に18歳になったからと問題が整理されぬままに丸投げされたという悪評を耳にすることもあります。様々な意見には耳を傾けつつも、浅沼医師が信じる診療スタイルで子どもに寄り添っていただけることを期待し症例検討を終えました。