12月定例症例検討会

12月16日には定例の症例検討会が開催されました。青木医師に症例提示をいただきました。離婚調停・裁判で我々児童精神科医が意見を求められる場合、一番頻度が高いのが子どもの心的外傷と面会権をめぐる問題です。子どもの心的外傷による影響を懸念する親とそれを否定して面会を求める親とが、争い、子どものメンタルヘルスの専門家としての見解を求められます。PTSD周辺の知識に乏しかったり、司法関係者とのやり取りをする経験に乏しかったりする場合、関与に消極的になってしまうことや曖昧な意見を伝えてしまうこともしばしばです。心的外傷を抱える子どもを診療するときには、安心感を感じられる関係づくりが何よりも大切で、医師としてもそれなりの心構えが必要です。そのうえで子どもや家族がたどった経過を丁寧に紐解き、評価しないことには、専門職としての明確な意見は出しえないこと、など、児童精神科医としての姿勢について話し合いがなされました。