10月定例症例検討会

本日は定例の症例検討会を行いました。宮崎医師に症例提示をいただきました。そう状態や精神病状態の患者さんの診察では、派手な服装や奇異な言動に目を奪われて、その病的な印象から治療者が一つの固定した診断にとらわれることがよくあります。しかしながら、統合失調症であっても双極性障害であっても、子どもや家族には病前、発症時、病後の生活があります。もともとどのような生活をしてきた人が、病の影響で生活がどのように変化して苦しんでいるのかというストーリーを辿ることはおろそかにはできません。子どもや家族が自らの経過を治療者と一つのストーリーとして十分に共有していなければ、 進路決定など、子どもの人生に関わる重要な局面で治療者との意見の相違が生じてしまうこともあり得ます。症例全体を俯瞰しながら治療方針を立てることの重要性が示唆された症例でした。