レジデント向けクルズス

本日はシニアレジデントからの要望を受けて、指導医がクルズスを行いました。テーマは以下の通り。浅沼医師と宮崎医師が講義を担当しました。いずれも、若手の頃にはなんとなく疑問に思っていたものの、改めて議論されずに通り過ぎやすいテーマで新鮮だったかと思います。

  1. 摂食障害治療を膠着させないために親子にどう対応するか
  2. 情緒障害とは何か

摂食障害治療の際に、病状の勢いに家族が抵抗しきれずに食事を減らす方向に動いたり、治療に連れてくることさえ難しくなることがあります。家族と共に立ち向かうべき敵は摂食障害という病状そのものであり、子どもと闘うことではないことをブレない態度で保ち続けるためにはそれなりの戦略が必要です。これについて議論が交わされました。次に、福祉、教育、医療の中で度々使われるものの、その定義ははっきりしていない情緒障害とは何か?というレジデントの疑問に、昭和40年代からの歴史的経緯を遡り議論しました。各分野で使われる情緒障害の意味は異なること、医療の中では「ゴミ箱診断」の位置づけであり、診断に迷う場合に暫定的に伝えられることはあっても、それを漫然と使い続けてはならないなどの議論がなされました。