1月定例症例検討会

1月15日に市民総合医療センターにて令和2年最初の定例症例検討会が実施されました。症例提示はレジンデントの宮崎医師が担当しました。医療、福祉、教育、司法の立場から30名以上の方に参加いただきました。診療を行う中で子どもを巡る周囲の大人同士のトラブルについて相談が持ち込まれることが度々あります。例えば、父母の離婚問題や家族と学校間のトラブルなどです。時に、教育委員会や児童相談所、裁判所、保険会社なども巻き込んで大きな問題に発展します。主治医は実際のトラブルの場面に居合わせた訳でもなく、当事者から聞こえる情報は断片的であるため、事実関係がはっきりせぬままに諸機関から医療的助言や診断書を求められるなど、対応に悩むこともしばしばです。子ども権利の旗印のもとに被害の有無の立証を巡る争いが続く中、子どもは沈黙を守るか周囲の大人に盲目的に従うこともあります。当日はこのような場合の主治医としての振る舞いは何が最適なのかという点で議論が深まりました。被害を受け傷ついた後、さらに周囲の大人が衝突するという状況下にある子どもを労いながら、子どもの健康回復に向けた助言を根気よく続ける態度を守ることが、混乱した状況にある当事者の方向性を修正しうることが確認されました。