9月定例症例検討会

9月18日には市民総合医療センターで定例症例検討会を行いました。宮崎医師が症例を提示しました。一般に医療機関には診療報酬の都合もあり、許容される入院期間が概ね決まっています。医師もその枠組みを意識しながら治療計画を立てます。例えば、附属病院は平均1か月間、市民総合医療センターは平均3か月間という枠組みで治療を行うのが一般的です。しかしながら、関係が悪化していて本人の病状を許容する力が家族にない場合や、反復する自殺行動がある場合は退院に向けての調整に時間を要することもしばしばです。主治医が想定する入院計画にとらわれて短期で入院治療の成果もしくは落としどころ見出そうと焦ると、退院や転院を前にして行動化が頻発して計画がとん挫することや退院後まもなく病状が悪化して再入院を検討せざるを得なくなることがあります。会場の助言者からは「患者の状態をみて腹をくくり、じっくり付き合う覚悟を決めること」という意見も出ましたが、治療がうまく進捗しない場合に一回治療全体を見渡して、治療のペースが患者や家族にとって早すぎはしないか、無理な要求を突きつけることになっていないかを見返す必要があるのかもしれません。