第69回神奈川児童青年精神医学研究会

3月24日には第69回神奈川児童青年精神医学研究会が開催されました。市民総合医療センターの廣内医師が演者として症例提示をしました。大学病院は自殺企図や拒食による急激な痩せなどの急性期治療が主であり、入院期間も3か月程度です。また、1-2年おきの人事異動があり、時間は慌ただしく流れます。この中に、逆境的環境の中で居場所を失い、自暴自棄な行動化のために保護を目的として入院治療が必要となる子どもがやって来る時があります。過去を受け止めて、未来を共に見つめるような、じっくりとした関わりを主治医が望んだときに、本来自分が行いたい関わりと慌ただしい時間の中で自分ができる限界の狭間に悩むことがあります。傷つきが深いほど息の長い丁寧な関わりが必要です。親しくなれば人は離れていくと感じて孤立を深め、ともすれば自棄的になりやすい子どもに、医師はどのように出会い、どのような励ましを投げかけ、別れを迎えるのか、今回の症例提示はこれを考える良い機会となりました。