病院は、悩みを抱えるお子さんとご家族へのご対応を早くできるように心がけていますが、多くの病院・診療所が初診までに2週間~数ヶ月の待ち時間がかかります。そんなに待てないというご家族もいらっしゃるでしょうし、いきなり病院を受診するのは少し抵抗があったり、お子さんの状態に果たして医療が必要なのか、などと悩まれる場合もあるでしょう。多くのお子さんやご家族が、初診までの間に様々な相談機関での相談や支援を受けられています。以下に、病院以外の相談機関をいくつかご紹介します。
教育相談員、学校カウンセラー、保健師、ソーシャルワーカーが相談にのってくれます。相談の内容によって、どのような支援機関や医療機関に支援を求めるべきかをすすめてくれます。
横浜市内4つの児童相談所には児童精神科医が1名ずつ配置されています。また療育手帳などの判定のための心理検査や心の問題に関する心理療法、心理相談を行える心理職もいます。被虐待児への心のケア、社会的養護が必要な子供たちへの対応、知的障害や重症心身障害児への福祉的支援、非行や家庭内暴力の問題に関する相談を業務の中心としています。
青少年相談センターはひきこもりや不登校、非行や家庭内暴力といったお子さんの情緒的な問題について、電話相談や来所にての相談を受けつけています。地域に数か所あるユースプラザや若者サポートステーションと連携しながら、思春期から青年期にかけての就労支援や居場所づくりにも協力してくれます。
学校の中でおこる、子どもの学習や学級での過ごし方についての相談を、いじめに関する相談、不登校に関する相談を受けつけています。横浜市独自の取り組みとして、不登校児童家庭へのハートフルフレンドというボランティア派遣、不登校児童のための教育・居場所の提供をするハートフルスペース、ハートフルルームは一定の成果をあげています。特別教育総合相談センターは発達障害を抱えるお子さんの個別支援教育について相談に乗るところです。
横浜市内の9カ所に地域療育センターが配置されています。子どもの発達に詳しい医師、臨床心理士、言語療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーがいます。検査と診断や療育プログラム、家族の相談を実施します。小学校年齢までの知的障害や自閉症スペクトラム症などの発達支援が業務の中心です。
発達障害のお子さんは、学齢後期になってから、不登校や引きこもり、非行といった二次的な問題をおこしてくることがあります。小学校までとは異なる、成長に合わせた対応が求められます。これらの相談について横浜市内では3カ所、中学・高校生向けの相談窓口が設けられています。
神奈川県警の少年相談・保護センターでは、少年の非行問題やいじめ、犯罪被害等に関する相談を受けています。横浜少年鑑別所でも非行や不良交友、家庭内暴力などの相談を受けつけています。
なかなか窓口に出向くのは難しい、とりあえず誰かに話を聞いてもらいたい、という場合もあります。死にたい気持ちや、友だちからのいじめ、家族の問題など、身近な人に話しにくいことの相談にのってくれます。