精神科のお薬について。

精神科のお薬について。

子どもの心の問題にも、お薬を処方することがあります。

児童精神科では、お子さんの心が疲れていたり、いらだっていて、お子さん本人もご家族もしんどくなっているときに、お薬の内服をすすめることがあります。

主なお薬はイライラや感情の高ぶりをおさえるお薬、幻覚や幻聴の影響を減らすお薬、心配や緊張を減らすお薬、眠れない時に飲む睡眠薬、周期的な気持ちの浮き沈みの程度を減らすお薬、不注意・衝動性をコントロールするお薬です。

薬の種類としては、抗精神病薬、抗てんかん薬、抗不安薬、抗うつ薬、気分安定薬(これは俗に言う安定剤ではなく、気持ちの浮き沈みに効果がある薬です。)、抗多動薬、睡眠薬、漢方薬があり、病院の先生や症状や体質、生活習慣に応じて最適な薬を考えて処方しています。

お薬の効果について

お薬だけで心の調子がすべてよくなるわけではありません。一旦お子さんのストレスを最大限に減らし、その後、お子さんがうまくストレスに対処できるように医師と相談しながらお子さんを励ましていくことが何よりも大事です。

お薬の安全性について

現在発売されているお薬は各製薬会社が臨床試験を繰り返し、ある程度の安全性が確かめられたものが出回っています。とはいえ、国内では子どもの心の不調に対して処方されるお薬は、まだ数種類の薬でしか子どもを対象にした治験が行われていません。このため、医師は必要性と効果、副作用を十分考えつつ慎重に処方を行っています。

特に薬を開始し始めたばかりの頃は、薬を飲んでの違和感や心配な薬の飲み合わせ(頭痛薬、他の病院でもらった精神科薬、心臓や喘息の薬、コーヒーや緑茶、ジュースなど意外に飲み合わせの悪いものがあります。)など、気軽に医師や薬剤師にたずねていただき、話し合うことが大事です。

お薬の依存性について

医師がご家族から多くいただく質問の中に「薬を飲むことがクセになってやめられなくなることはないだろうか?」というものがありますが、心が回復してくれば医師と相談しながら少しずつ減量し中止できます。薬を飲んでいる状況がまずいのではないかと焦って、気まぐれで中断する場合に離脱症候群がおきて、「薬はなかなかやめられない」と感じる場合もあるようです。心の回復の具合について医師とよく相談しながら、薬の継続もしくは中止について話し合ってください。飲んだり飲まなかったりは良くないので、迷う場合はきちんと相談しましょう。

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