子どもの心が傷ついたとき。

子どもの心が傷ついたとき。

傷つく原因、反応の仕方は、子どもによって本当にさまざま。

家庭の不和や離婚、家庭内での暴力場面の目撃、家族からの身体的・心理的・性的な虐待、友だちからのいじめや仲間はずれ、学業や集団活動での大きなつまづき、身近な人やペットの死や突然の別れ、突然の災害や事故など、子どもが成長する過程で経験する心の傷つきには様々な原因があります。思春期までに6割以上の子どもが何らかの心の傷つきを抱えているという調査もあるほどで、心が傷つくこと自体は珍しいことではありません。

しかし、その後の反応や対処の仕方は人それぞれです。傷つきを心の糧や教訓として強く生きることができる子、「仕方がなかった」「誰のせいでもない」とあきらめて何とか折り合いをつけて生きていく子、しばらくの間立ち直るのに時間がかかる子、まるで傷つきが無かったかのように心の中にしまい込んで笑顔でいるのに急に辛い思いがこみ上げてどうしようもなくなる子、自分を責めたり、まわりを信用できなくなって、まるで人が変わってしまったかのように生きていく意欲を失ってしまう子など、診察をしていると実にいろいろな子に出会います。

これらの違いを精神科医は「レジリアンス(心のしなやかさ)」と呼んでいます、生来ストレスを乗り越える力をもっている子と、ストレスがかかると傷つきやすく、それを乗り越えるのが大変な子がいるのです。病院にはそのような傷つきやすいお子さんが相談にやってきます。

その子なりの「ほどほど」を一緒に考えていきましょう。

心が傷つくほどのストレスを体験して、うまくストレスを処理できない場合に、不安や苛々、対人関係の不調、気持ちの落ち込みといった心の症状をきたします。精神科医はそれをストレス関連性障害と呼び、経過によって以下のようにいくつかに分類をして診断をしています。お子さんの場合、大人よりも何が起こって、何がつらいのか説明するのが大変なので訴えが漠然としていたり、理由のない不安やイライラ、子ども返りした様子、授業中落ち着きがなくなったり、ケンカが増えるなどの問題行動として表現されることもしばしばです。

急性ストレス障害

子どもの力では対処できないほど辛い体験をして心が傷ついたとき、体験したことを急に思い出したり、悪夢を見て眠れなくなったり、怯えたりイライラし、心が傷ついた体験に関することを避ける傾向が数日~4週間続いた後に、安全な環境の中では自然によくなるものです。

心的外傷後ストレス障害

上記の急性ストレス障害にみられたような症状が、子どもの安全が確保されてもなお3か月以上続く状態です。心が傷ついても多くの子は安心・安全な環境で回復していきますが、もともと不安感が強かったり、複数の傷つきを抱えるお子さんはこの状態になりやすくケアが必要です。

適応障害

生死に関わるほどでなくても、子どもにとってつらい体験は存在します。(例えば、学校不適応や家庭不和など)そういったストレスによって、不安や気持ちの落ち込み、イライラなどの心の症状を生じます。学校や家庭と連携し、ストレスを取り除きさえすれば半年以内によくなるだろうと精神科医が想定した場合、適応障害と診断します。児童精神科に訪れるお子さんにつけられる診断で一番多いのが実はこの診断です。

急性ストレス障害

子どもの力では対処できないほど辛い体験をして心が傷ついたとき、体験したことを急に思い出したり、悪夢を見て眠れなくなったり、怯えたりイライラし、心が傷ついた体験に関することを避ける傾向が数日~4週間続いた後に、安全な環境の中では自然によくなるものです。

心的外傷後ストレス障害

上記の急性ストレス障害にみられたような症状が、子どもの安全が確保されてもなお3か月以上続く状態です。心が傷ついても多くの子は安心・安全な環境で回復していきますが、もともと不安感が強かったり、複数の傷つきを抱えるお子さんはこの状態になりやすくケアが必要です。

適応障害

生死に関わるほどでなくても、子どもにとってつらい体験は存在します。(例えば、学校不適応や家庭不和など)そういったストレスによって、不安や気持ちの落ち込み、イライラなどの心の症状を生じます。学校や家庭と連携し、ストレスを取り除きさえすれば半年以内によくなるだろうと精神科医が想定した場合、適応障害と診断します。児童精神科に訪れるお子さんにつけられる診断で一番多いのが実はこの診断です。

まわりの大人はどう対応するべきか。

まずは子どもが安心できる関係がある人と関わること、安全・安心な環境が保障されていることが大事です。子どもをストレスから守ってあげるためには、何が子どもに起こったのか大人が知っておく必要がありますが、話すことを避けたり、気を遣って話さない子も多いので、専門家と相談しながら丁寧に子どもの話に耳を傾ける必要があります。

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