筋肉が突然意に反して動いてしまうもので、五人に一人が一度は体験すると言われているほど多いものです。それは何かの目的をもって起こるものではありませんが、一見目的があるように見えることもあります。またけいれんとは違ってごく短時間は抑制することが出来、通常は睡眠中に消失します。
単純運動性チック:まばたき、首の急激な動き、肩すくめ、顔しかめ。
単純音声性チック:「こんこん」を咳をする、咳払い、唸る、鼻を鳴らす。
複雑運動性チック:顔の表情を変える、飛び跳ねる、においを嗅ぐ。
複雑音声性チック:状況に合わないことを言う、汚言(ひわいな言葉、汚い言葉)を言う
などさまざまな症状があります。
原因についてはまだよくわかっていません。
以前はしつけやさまざまなストレスが原因で起こると言われていましたが、研究が進むにつれてそれは不適切であり、現在な脳内物質のアンバランスによって起こる脳の病気で、増悪因子としてストレスなどが考えられています。
症状をおさえる薬はありますが、すぐに薬を使わず、日常生活に大きく支障を来たすような場合に使用するこが多いです。そのほか随伴する症状に対する治療や、環境調節などを行います。人によって頻度が様々ですが、一か月以上続く場合や日常生活に影響を与える場合、本人が苦痛を感じる場合は受診を行ったほうがいいです。
現在のところ完治させる方法はありません。しかし、小学校高学年以降軽減し、思春期を過ぎる頃には自然と軽快することが多く、消失することもあります。
症状は常に変動しますので些細な変化で一喜一憂せず、長い目で見てください。周囲の人にチックを止めるように言われると、逆に激しく出ることがあります。汚言や一部の複雑運動性チック(飛び跳ねるなど)は周囲への影響が大きいため、「それだけはやめてね」と止めたくなりますが、逆効果になることが多いです。
トゥレット症候群およびその併発症をもつ患者家族・支援者からなるNPO法人として、日本トゥレット協会(http://tourette-japan.org/)があります。