うちの子はよその子とくらべてちょっと変わったところがある、他の子よりも優れているところがあるのにとても不器用だったり苦手なことがあるという理由で、病院に相談に来られるご家族は多くいらっしゃいます。
たとえば、言葉が遅かったり、気遣いが苦手でマイペースだったり、一人で何かに没頭するのが好きで多くのお友だちの中で過ごすことが嫌いだったり、一方的に自分が話したいことを話す、一つのことへのこだわりがとても強い、忘れ物が多い、不注意でよくけがをする、漢字の書き取りだけが苦手、算数だけが苦手など、ご家族が相談される内容は様々です。「生まれつきの性格や特徴」なのか、「障害」なのか、悩まれている人も多くいます。
お子さんの特徴をキーワードにして、ちょっとインターネットで調べてみると、「自閉症」「ADHD」「学習障害」「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」といった発達障害に関する言葉がたくさん並んでいます。もしかしたら、お子さんがそういった診断に当てはまるのかとても心配になっているご家族もたくさんいらっしゃいます。
実はどこまでが「生まれつきの性格や特徴」なのか「障害」なのかの境目はあいまいなものです。全国の学校の先生たちへのアンケート調査では、「ちょっと変わっていて特別な配慮や支援が必要だと感じる子」は、クラスの中に約10人に1人存在するという結果があります。病院ではこういった子を皆、障害として診断をするわけではありません。病院では生まれもった発達の特徴特性が原因で社会や学校で本人や周りがとても困っている場合に支援を提供するために診断をするのです。
家族の目から見れば「ちょっと変わった」程度の子なのに、周囲の受け止め方はちょっと違っていて、よくわからぬまま病院での相談をすすめられた方もいますが、担当医はレッテル貼りをするわけではなく、その子にどういう傾向があるのかを評価し、整理して、ご自身や周囲の人が本人の特性の理解を深める一助となるような説明をしてくれるはずです。
これまでの子育ての中で感じてこられた悩みや気づきなど、なんでも構いませんので気軽にご相談ください。