精神科医との情報交換について。

精神科医との情報交換について。

お子さんの治療と支援を考える上で、学校での生活風景や学校で実践されている支援内容を知ることは精神科医にとって非常に役立ちます。学校側も主治医の治療方針や治療経過を知っておくことで迷いが減ってお子さんに余裕をもって関われるかもしれません。学校と医療の連携がうまくいっている場合、お子さんの理解が深まり治療もうまくいきやすくなります。以下に、医療機関と学校が連携を行う場合の留意点を述べます。

医療機関と連携する際の留意点

≪初診にあたって≫
 初診では、本人が小さかった頃、健康だった時の様子、親からみた本人の家庭・学校・友人関係・余暇活動における変化、親がどのような思いをもって育ててきたか、本人が困ったときに周囲からどのような支援を得てきたか、本人の強みや弱点、など精神科医が詳細に聞き取っていきます。お子さんとご家族からの情報だけでは、学校での様子が把握できないことがありますので、学校の生活の様子や学校での支援内容を簡潔にお伝えいただけると助かります。症状や問題行動が強い時にはそこにばかり着目しがちですが、本人の強みや症状が出ていないときの様子を知ることは、その子の生きる力を知ることにつながり、回復にみちびく大きな手掛かりとなります。いいところをたくさん教えてください。
 緊密な連携が必要性が高い困難なケースほど、その背景は複雑です。得られる情報の扱いにはより細心の注意を期す必要がありますので、その点はご留意ください(ただし、虐待が疑われるケースについては迅速な情報交換と対処が必要です。)。

≪再診以降の連携について≫
 医療受診後すぐに主治医と方針の打ち合わせをしたい場合もあるかと思いますが、お子さんに関する情報交換は守秘義務の観点から事前にご家族に了解を得ることが必要です。その後、主治医あるいは病院のソーシャルワーカーに連絡をして面談などによる情報交換の日時を調整してください。
 診察日に先生方に同伴していただくこともお子さんやご家族、主治医との関係や診療内容が理解できるため役立つと思われます。また、場合によっては学校の先生と医師だけで情報交換をすることに抵抗のあるご家族もあります。このような場合は診察日に同席される方がよいでしょう。ただし、再診時間は通常10~15分程度です。
 もしも、主治医との学校の相談をする上で、十分な時間が必要な場合は診察時間外に面談を設定しますのでご相談ください。担任の先生、養護教諭の先生、児童・生徒指導専任の先生、スクールカウンセラーなど複数の関係者の方に来院していただくと、より良い対応が検討できることがあります。
 保護者が学校の先生方と主治医との連絡を望まない場合は、医師からお子さんの病状はお話しできません。ただし、強く連携を必要とする場合には、その旨を医師にお伝えいただければ、医師から保護者に学校との連携を促すこともできます(例えば、「よりよい治療のために是非学校との情報交換が必要であると考えている」など)。

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