元気で自信にあふれた子、敏感でかんしゃくもちな子、真面目な子、奔放な子、不安が強く自信がない子、学校の勉強についていくのに苦労をする子など学校にはさまざまな子どもが生活しています。学校生活ではお互いの良いところを取り入れて、学んでいくことが大切です。しかし、子どもが心の不調をきたしていると、そういったそれぞれの違いがストレスになることもあります。いらだったり、登校を渋ったり、ストレスへの反応の仕方もさまざまです。子どもたちが心の中にストレスをためて苦しんでいそうなことはわかっても、学校でどのように支援をすればよいのか迷う学校の先生方も少なくありません。たとえ、カウンセリングを開始しても、病院で治療をはじめたとしても、急に変化は訪れません。学校ではどのように子どもたちを支援すればよいのでしょうか。
子どものストレスの反応はあまり言葉で表現されることはなく、まずは行動や身体の症状であらわれます。子どもがうまく自分の中の気持ちを言葉にすることができないと、大人は背景がわからず、行動や症状の改善について話題にしてしまいます。そして、「少しだけでもみんなが待っているクラスに入ってくれれば」とか、「少しでも静かにしてくれれば」、「もうちょっとまわりの子たちの気持ちになって考えてほしい」、「いじめられる子の気持ちになって考えてほしい」と願って大人の目線で子どもに対応しがちです。
子どもや家族と話し合いをするときに、問題となっている行動に着目して「なぜ学校にいけないのか」「どうしてお友だちをいじめるのか」など、大人が困っている事ばかりに話題が向きがちです。しかし、子どもたちに「なぜできない」、「どうしてそんなことをするのか」という大人の気持ちを伝えたところで、子どもたちもどうしていいかわからないのでなかなか答えは出てきません。以下に子どもを支援するための要点を紹介します。
行動上の問題や症状として表現されている場合は、本人の特性とまわりの環境にミスマッチが起こってストレスになっている事がほとんどです。このため、本人の特性(苦手なこと、得意なこと)は何か、それに対して適切でない環境は何なのかを同定する必要があります。
これまで散々、問題点を指摘されて自信をなくしている子どもが多くいます。まずは「こうなったらいいのにな」という子どもたちの日頃の願い、「これなら自分はできるのに」という自信を持てている強みの部分をみつけていきましょう。子どもの「強み」に着目して「願い」に耳を傾けてくれる大人にならば、子どもは心を開いてくれるはずです。
子どもの「強み」や「願い」を聞いた上で、現在の環境の中で子どもが何に困っているのかを聞き取ります。そのうえで、大人が心配していることを丁寧に伝えます。「自分のせいでこうなっているのだ」もしくは「まわりのせいでこんなことが起こっている」という極端な考え方になっている子も多いですが、この過程で大人と子どもが「こうなったのも仕方がなかった」という形で折り合えることが大事です。
子どもと大人が“本人の特性と環境のミスマッチ”がなぜ起こったのかを気づければ、おのずと解決策が双方から生まれます。子どもの意見を取り入れながら、新たな「目標」を設定します。
朝や帰りの時間などの合間に、本人中心の時間を短時間でもとることが重要です。