ご家族の心の状態が 心配なときに。

ご家族の心の状態が
心配なときに。

子どもの不適応の背景にご家族の精神疾患が疑われる場合

学校から帰ればお子さんは多くの時間をご家族と過ごします。ご家族の健康状態にお子さんの生活はそれなりの影響を受けます。お子さんの心の不調の背景にご家族の心の不調が存在することは稀ではありません。ご家族がうつ病に罹患していたり、飲酒の問題を抱えていたりと事情はさまざまですが、このような場合にお子さんはご家族に対してどう対処していけば良いのかわからないまま迷っていることもしばしばです。本人にとって何が大変なのかを傾聴するとともに、必要に応じてもう一人の親、年上の兄弟、祖父母など健康な親族がサポートできているかを確認することも大切なポイントになります。ご家族あるいは本人の主治医と連携しながら、子どもが理解できるような説明の仕方で、困ったときにすぐに援助を求めるように助言することが重要です。ご家族の精神疾患の状態が悪く、子どもが身体的・心理的虐待・ネグレクトの状態にある場合は迷わずに保健福祉センターもしくは児童相談所と連携してください。

親子関係が悪循環をきたしている場合

ご家族に精神疾患が無かったとしても、子どもの精神症状や問題行動のためにご家族が疲弊している場合、ご家族に十分な知識や対処の力がないために余裕をなくして親子関係が悪循環をたどっている場合があります。このような場合、ご家族への助言や指導を通して、子どもの支援をすることを考えがちです。子どもの病状やご家庭の事情を十分把握することなく、ご家庭以外の方が子どもに関わっていると、「親さえしっかりしてくれれば」と上手く子どもに対処できていないご家族に目が行って否定的な感情を抱いてしまうこともあるかもしれません。子ども側の味方となる支援者としては当然の感情ですが、その感情のままにご家族を責めたり冷たくしたりせずに、やはりご家族の話もよく聞くことが大切です。親子関係が悪化せざるをえなかった経過を十分理解し、ご家族へも支援を提供しないと、時にご家族と対立し、結果的に子どもに不利益となることがあります。ご家族にも支えが必要なのです。ただし、虐待が疑われる場合は、迷わず保健福祉センターもしくは児童相談所と連携をしてください。

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