子どもの心の発達について

子どもの心の発達について

子どもはからだの成長とともに心も成長していきます。からだが大きい子、小さい子、足の速い子、遅い子、いろいろな子がいて、運動能力やからだの特徴はそれぞれ子どもによって違います。身体や運動能力と同様、心の発達の仕方もさまざまです。子どもの発達のスピードにあわせた関わり方が子どもの健やかな成長を促進します。乳幼児期から思春期・青年期にかけて子どもがたどる一般的な発達について以下に述べます。

乳児期 (0~1歳)

お母さんやお父さん、身近な大人に頼らないと自分では何もできない時期です。ニコニコと微笑んだり、ワーッと泣くことによって、今の状態が心地よいのか、不快なのかを意思表示したり、自分の関わる相手が好きか・嫌いかなどの基本的な信頼関係を表現します。いろいろなものを触ったり、なめたり、たたいたりして自分のまわりの世界を確かめながら学んでいきます。1歳半頃までに「立つ」・「歩く」といった運動が可能になり、「ママ」・「わんわん」などの単語程度の言葉が出始めます。

幼児期前半(1~3歳)

2歳頃になると、言葉が少しずつ増えはじめ「ジュース、飲む」「ママ、だっこ」などの意思表示ができるようになってきます。「〇〇したい」「〇〇たべたい」「〇〇はいや」などの主張が強くなりますが、結局自分で全部はできないので、お母さんやお父さんの助けが必要です。2-3歳頃には絵本を読んでもらったり、ごっこ遊びを楽しんだりする中で、登場人物や相手が今何を考えているのかを想像しながらやりとりができるようになってきます。

幼児期後半(3~6歳)

お父さんやお母さん以外の人たち(幼稚園の先生やお友だち)との関わりが増えてくる時期です。大人や仲の良いお友だちの真似をして世界を広げます。「やんちゃ」、「おてんば」、「おませさん」な様子がみられます。言葉やルールの理解も進みますが、まだ「大きい」「小さい」がわかる程度の直感的な感覚で理解をするので複雑なことを伝えても理解できません。

学童期(6~11歳)

文字の読み書きができるようになり、数や量の概念、ルールや規則の成り立ちも理解できるようになります。自分の得意なもの・好きなものを見つけ、先々の将来を空想して、「お医者さんになりたい」「野球選手になりたい」などの夢を語る姿もみられます。一方、他人と自分の差を意識して、有能感や劣等感を感じるようになり、自分と同様の仲間を求めはじめたり、自分と異なる仲間を区別して付き合いはじめるのもこの頃です。

思春期・青年期(12~18歳)

自分と他人との違いをさらに意識するようになります。家族の中の自分、友達の中の自分、異性に対する自分、社会の中の自分はどうあるべきかを考えながら成長する時期です。物事について考察したり、議論ができるようになってきます。家族・友人・学校・部活など様々な社会場面でストレスを感じ、葛藤が増えるのもこの時期です。

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