7月定例症例検討会

7月20日には定例の症例検討会が行われました。重井医師が担当をしてくださいました。甘えるのが苦手な完璧主義の女児とそのご家族に心理評価をどうフィードバックするのかという課題が話し合われました。駆け出しの精神科医にとって、心理検査結果を読み解くことは結構難題です。「情緒の発達の遅れ」とか「不完全な愛着形成」とか「自己の肥大化」など、耳慣れない、とらえようによってはショッキングな言葉が心理検査結果のサマリーには並ぶことも多いでしょう。「お母さんは優しくてなんでも聞いてくれる素敵な人です」と模範解答のような家族像を語る子やうちの子は非の打ち所がないと考えている家族にそんな結果をそのまま返すことは到底できません。なぜ検査を担当した臨床心理士がそのような結果を出しているのか、なかなかイメージできないのは精神科医一年目であればよくあることだと思います。担当者と膝をつきあわせて解釈について議論することももちろんですが、今回のように心理検査のどこが臨床像に符合するのか症例検討を通して理解をふかめる経験もとてもよいことです。宝の山である心理検査結果を生かすも殺すも説明する臨床家の意識次第ですので、重井医師には今回の症例経験をもとにスキルを高めていただければと思います。