3月定例症例検討会

3月16日は令和3年度最後の症例検討会となりました。症例提示は宇賀神医師にお願いしました。医療受診をする子どもの背景に現在進行中の虐待や逆境体験が明らかになった時、児童精神科医は子どもの安全と安心を担保することから考えなければなりません。それは精神科治療をどうするか、の前にある重要な事柄ですから、子どもの安全が守られない状況があれば積極的に児童相談所などの専門家と協議の上方針を決定していきます。子どもと家族の受診が途切れがちで接点が持ちにくい場合、子どもや家族と信頼関係が築きにくい場合、語られる情報が不明確な場合、など複数の困難事例がありますが、児童精神科医が子どもの安全を守るためにどのような振る舞いをするのか、誰にまず連絡を取るのか、など具体的な議論ができた会となりました。当日は、児童相談所に情報収集に赴いたり、キャンセルの電話はすべて自分で受けて子どもと接点を持とうとするなど、奮闘する精神科医一年目の宇賀神医師の様子が伝わりました。