教室の沿革
1.横浜市立大学 消化器内科学教室について
横浜市立大学医学部の歴史は,明治4年に全国で2番目に開院された洋式病院を起源としています.これが,横浜共立病院,県立十全病院(明治7年),市立十全病院を経て,今日の横浜市立大学医学部へと発展してきました.
本学の消化器内科領域は,以前は旧第2内科消化器グループ,旧第3内科消化器グループに分かれておりました.しかしながら,近年加速する医療の高度化に対応するため,消化器内科領域を一本化する措置がとられ,2009年に,旧第2内科,旧第3内科の消化器グループが統合する形で,「消化器内科学教室」が設立しました. 2010年に前田 愼 現主任教授が赴任し,現在では,横浜市立大学附属病院,横浜市立大学附属市民総合医療センターの2大学病院を中心に神奈川県内外の多くの関連施設で100名を超える教室員が診療,研究,教育を精力的に行っています.
2.豊富な専門機関と地域に根ざしたネットワーク
当教室では,横浜市大附属病院,横浜市大附属市民総合医療センター,神奈川県立がんセンターという3つの専門機関を中心に,大規模・中規模市中病院が連携して内科及び消化器内科診療に従事しています.
消化器内科の専門領域は,消化管領域,肝臓領域,胆膵領域に大別されます.それぞれ高度な治療処置や薬物療法の進歩が目覚ましい分野ですが,上記の専門機関でトレーニングを積んだ医師の人材交流により,プライマリー疾患から消化器難治疾患に至るまで,シームレスな医療提供を目指しています.
一方で,今後訪れる超高齢化社会を迎えるにあたり,消化器内科医には,専門家(specialist)や研究者(scientist)としてだけではなく,総合医(generalist)としての振る舞いが求められています.当教室では,消化器内科としてだけでなく内科全般の診療を行う中規模市中病院とも緊密に連携し,地域医療に貢献しています.これらの専門機関,大規模・中規模市中病院間の相互の人材交流を図ることにより,地域から求められている「形だけではなく真の意味での内科専門医,消化器内科専門医」を育成と,「全人的かつ高度な内科・消化器内科診療の提供」を可能としています.
また更に,当教室が存立する背景には,これまで横浜市大の関連施設で消化器内科の発展に携わってきた多くの先生方の存在があります. 現在,旧第2内科,旧第3内科,消化器内科学教室のいずれかに所属していた先生を中心として,「消化器内科学教室同門会」が形成されており,266名に及ぶ同門会員が所属しております.詳しくは,こちらを ご覧下さい.