横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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Zhang Y先生の論文が掲載されました.

Zhang Y先生の論文が掲載されました.

Enhancing deep-seated hepatocellular carcinoma detection: assessing the added value of high mechanical index setting in sonazoid-based contrast-enhanced ultrasound during post-vascular phase.J Med Ultrason (2001). 2024 Nov 16.

多血肝細胞癌のソナゾイド造影超音波後血管相で肝実質よりも低エコーになり欠損像になる肝細胞癌は中分化程度である.一方,多血でも欠損像にならない肝細胞癌は病理学的早期肝細胞癌または高分化程度である.ソナゾイド造影超音波後血管相所見は悪性度の指標となりえるため,正確な評価方法が望ましい.背景のB-modeの影響を受けやすいtissue harmonic imagingを用いた造影超音波では高輝度結節は低音圧造影モードでは後血管相で陰影欠損になりにくいため,この研究では背景のB-modeの影響を受けにくく比較的深部病変を観察可能なamplitude modulation法での造影超音波を用いて低音圧造影モードでは後血管相を評価した.805結節中668例は最初の低音圧造影モードで陰影欠損として描出されたが,137例は陰影欠損として描出されなかった.                                  より大きく(18.69±11.27mm vs.16.55±7.42mm,p=0.006),より表在性(6.06±2.41cmvs.7.40±2.74cm,p<0.001),低エコー(482/668 vs. 62/137,p<0.001)であった病変は,最初の低音圧造影モードで検出可能.その後,泡を破壊する高音圧造影モードに切り替えて観察すると77結節が陰影欠損として描出されるようになった.高音圧造影モードの追加検査で陰影欠損として同定された結節は,検出されなかった結節よりも大きく(18.30±8.76mm vs. 14.30±4.34mm、p<0.001),深かった(8.48±2.48cm vs. 6.02±2.43cm、p<0.001).PSM後,深さは多変量解析において独立した予測因子であることが示された(オッズ比:1.557,95%信頼区間:1.249-1.941).深さのcut-offは7.75cmで,感度は0.681,特異度は0.851,曲線下面積は0.774であった.ソナゾイド造影超音波の後血管相での高音圧造影モードを追加することで,深部に位置する肝細胞癌の陰影欠損の検出率が向上する.

中国からの留学生のYing医師の副論文は7月に掲載され,今回は主論文となりますが,学位審査の締め切りに間に合いまして,ほっとしております.私は今年度で定年退職となります.大変御世話になりました.皆様の今後のご活躍をお祈り申し上げます.(沼田)