10.07.08
分子細胞生物学教室のWeili Cong研究員、廣瀬智威助教らの研究グループが、がん抑制遺伝子p53の細胞死誘導能を担うASPP2について新しい機能を発見しました。ASPP2 は、細胞極性制御の中心分子であるPAR3に結合し、上皮細胞の密着結合に共に協調しながら局在し、PAR複合体と共に上皮細胞の極性を制御します。
ASPP2はp53と同様、がん抑制遺伝子として知られていますが、その機能は不明の点が多々残されています。また、PAR複合体のaPKCは、様 々ながんにおける異常が見つかっており、その役割の解析が進められています。一連の結果は、これまで全く異なる分野で解析されてきた分子が協調して細胞極 性に関わる事を示しています。
この成果は、がんにおける細胞極性の異常、細胞死や増殖性後と細胞極性との関わりなど、現在大きく注目されている課題の解明に大きな弾みをつける研究成果です。
この成果は、Cell
Pressの学術雑誌、Current Biologyのon line版に7月8日に掲載されました。
Cong
W, Hirose T, Harita Y, Yamashita A, Mizuno K, Hirano H, Ohno S: ASPP2 regulates
epithelial cell polarity through the PAR complex. Curr Biol, 20(15): 1408-1414,
2010.(PubMed)