研究に関わる指針、法律など
〜研究者が自分自身と研究活動を守る為に知っておくべき基本知識〜
(平成21年2月現在)
大学における研究活動(特に医学研究)は、社会から大きく期待されています。そして、大学における研究資金のほとんどすべては税金でまかなわれています。当然のことながら、その裏返しとして、研究者の研究活動は社会から厳しく監視されています。
このような状況で、研究者がのびのびと研究活動を進めていく為に行うべき事は、この頁に示された研究に関する様々なルール(指針や法律など)を遵守する事に始まります。つまり、これらのルールは、研究者自身と研究活動とを、社会の荒波から守る為に存在するといっても過言ではありません。
研究に関する様々なルール(指針や法律など)は、時代の要請に応じて、刻々と変化しています。特に倫理面に関しては、10年前とは全く異なった様相を示している部分も少なくありません。現在、議論が行われている部分も多くあります。過去の様々な失敗例の多くは、その過渡期に起きた例が多い事も知っておくべきです。無用な過ちを犯さないためにも、ルールを理解して、遵守して研究活動を行う必要があります。知らなかったでは済まされません。
研究指導者は、現場で働くすべての関係者に研究のルールを徹底させる義務を負っています。研究現場の研究者に加えて、研究指導者の責任は極めて重大です。しかし、研究指導者があまり現場には立たない場合もあります。また、大学組織は研究者を守る義務を負っていますが、現状ではその義務を果たすための体制は必ずしも完全ではありません。
従って、現場の研究者自身が、ルール遵守の自覚を持つことが、なによりも大切です。
研究倫理に関する指針など
学術論文統一規定
安全や環境の保全に関する指針や法律など
◆毒物・劇物・化学物質等に関する法律など
- 毒物及び劇物取締法(厚生労働省、国立医薬品食品衛生研究所)
- 化学物質の安全対策(厚生労働省、 医薬食品局化学物質安全対策室)
- 保健・化学物質対策(環境省)
- 化学物質管理政策(経済産業省)
- 研究に用いる試薬などのうち、法律で毒物や劇物などに指定されているものは、厳重に管理された状態で使用する必要があります。また、使用後の廃棄に際しても、環境基準を満たす範囲で行う必要もあります。
◆ラジオアイソトープに関する法律など
生命倫理に関する指針や法律など
◆動物実験に関する法律など
◆遺伝子組み換え実験に関する法律など
◆医学研究に関する指針
- 「臨床研究に関する倫理指針」(本文)(平成20年厚生労働省告示第415号)平成21年4月1日より施行)
- 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示、通知)(平成16年12月28日全部改正、平成17年6月29日一部改正、平成20年12月1日一部改正)
- 「疫学研究に関する倫理指針」(文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示、通知)(平成14年6月17日策定、平成16年12月28日全部改正、平成17年6月29日一部改正、平成19年8月16日全部改正、平成20年12月1日一部改正)
- 「遺伝子治療臨床研究に関する指針」(文部科学省・厚生労働省告示、 施行通知)(全部改正時)(平成16年12月28日)(平成20年12月1日一部改正)
- 手術等で摘出されたヒト組織を用いた研究開発の在り方(厚生科学審議会答申 平成10年12月16日)
- 臨床材料を用いる研究(患者さんには直接的な侵襲を与えない研究)や、患者さんに治療的な行為を含む研究など、ヒトに関する研究は、上述の指針に則り設置された「横浜市立大学医学研究倫理委員会」において審査を受けた後に、厳重な管理下で行われています。
◆ヒト幹細胞、ES細胞、ヒトクローン研究に関する指針など
大野茂男 (ohnos@med.yokohama-cu.ac.jp)
〒236-0004 横浜市金沢区福浦 3-9
Copyright (C) 2009 Department of Molecular Biology Ohno Lab. All Rights Reserved.