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がんゲノム検査のご案内

がんゲノム検査のご案内

~病気の原因から効果的な治療薬を探索する~

保険検査の開始について

2020年2月より、当院での保険適用のがんゲノム検査を開始しました。保険適用の検査が受けられる患者さんには、原則として保険適用の検査をお勧めしています。一方で、保険適用の検査には、その適用に関して一定の制限があります。このため、当院では以前より行っている自費検査も引き続き行っています。適用の問題で保険の検査が受けられない患者さんでも、自費の検査であれば受けることができます。患者さんにとって最適な検査を一緒に考えさせていただきます。

適用

保険検査の場合、『標準治療を受け終わった後』という制約が付きます。
自費検査の場合は、そのような制約はありませんが、健康保険制度でカバーされません。

検査を受ける時期について

本検査は、外科手術で摘出された検体を用いて行います。手術後、2年間はまず問題なく結果が得られます。3年を過ぎると検査結果が得られない症例が出てきます。5年を超えると検査結果を得ることは困難です。このため、本検査を受ける場合には、術後できるだけ早く受けることをお勧めします。前述の通り、得られた結果をどう使うかは別問題ですので、検査結果を手元に持っておいて、今後に備える、という使い方もできます。

手術を受けていない症例への対応

本検査は、基本的に外科手術によって摘出された検体を用います。針生検のような小さな検体では検査を行うことができません。このため、外科手術を受けていない患者さんは、基本的に対象外となります。しかし、手術を受けていない患者さんの中にも、本検査を希望される方は多く、当院ではできる限り検査を受けられるように対応しております。実際に、手術を受けていない患者さんの針生検の検体に特殊な処理を行うことで、検査結果が得られた、という症例を経験しています。全ての患者さんに同じことができるわけではありませんが、手術を受けていなくても、特定の条件を満たせば、検査が受けられる可能性があります。まずはお問い合わせください。

費用

保険検査は、検査のみで56万円(自己負担3割の場合:約17万円、自己負担1割の場合:約6万円)、自費検査の場合は約65万円が請求されます。

*この金額は変更されることもありますので、最新の費用を外来時にご確認ください。

期間

保険検査、自費検査共に、検体提出から検査結果が得られるまで約2ヶ月かかります。

検査結果から分かること

検査結果は、遺伝子変異に直接対応した薬剤がないかを判定します。その他、遺伝子変異が患者さんのがん種において、抗がん剤の感受性に関与すると報告されているものがないかを判定します。また、免疫チェックポイント阻害薬という新しい抗がん剤は、その効果予測因子が特別ですので、これに関しても判定します。
また、何も新しい治療の選択肢が見つからなかった場合は、逆に言えば現時点ではガイドライン治療が最良の選択肢であるという強力な根拠になります。特に、前述した『疾患自体は稀ではないが、その疾患の集団の中では稀な患者』に対し、ガイドライン治療を行うことの根拠にもなると考えられます。

必要な検体

必要な検体は、検査の種類によって異なります。検査の種類が決まった後、こちらで準備させて頂きます。