ご挨拶
平成27年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行され、同年9月に「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」に基づき、平成 30 年度から全国都道府県において順次「難病診療連携拠点病院、難病診療分野別拠点病院、難病医療協力病院」が指定、「新たな難病の医療提供体制」が構築されています( http://www.nanbyou.or.jp/entry/5215 参照)。この流れに基づき2019年に横浜市大附属病院は、難病診療連携拠点病院(難病医療連携拠点病院)に指定されています。
一方、横浜市立大学大学院医学研究科では、難病研究において様々な特筆すべき活動がなされてきました。例えば遺伝学教室は、2011年から希少難病の原因解明を目指す網羅的遺伝子解析拠点/オミックス解析拠点を形成し今日に至っております。この拠点活動において、全国から1万5千検体もの原因未同定の希少遺伝性難病の症例及びご家族の検体が集積し、網羅的遺伝子解析を進めております。さらに2015年より診断がつかずに困っている患者さん(未診断疾患症例)を体系的に診断するためのプロジェクト 未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases : IRUD)の解析センターに選定され解析に寄与しております。これらの活動を通じこれまでに実に60疾患の原因遺伝子を明らかにしてきました。これらは国内外でも突出してます。
さらに、2003年のヒトゲノムシーケンス解読完了宣言以降、このゲノム情報資産を利用した様々な技術革新が起きました。特に2005年に次世代シーケンサーが登場しシーケンスのコストは劇的に低減、現在1000ドル(10万円)で全ゲノム解析が可能になり、パーソナルゲノム時代に突入しています。よってこれからの医療は、個人のゲノム情報をいかに役立てていく時代をなったと言えます。このような時代背景の元、横浜市立大学におけるゲノム医療を推進すべくメディカルゲノムセンターが発足しました。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。