小学校に入るまでの幼児期の夜間睡眠中の失禁は”おねしょ”と呼ばれるもので、さして気にするご家族も多くはないかと思います。その後、成長とともに排尿の機能が発達し、小学校に入学する頃に夜間睡眠中の尿失禁はみられなくなるのが通常です。
夜尿症とは小学校以降も、夜に寝ている間に失禁をする状態と定義されています。小学校高学年でも20人に1人ですが、小学校を卒業しても夜尿があるお子さんは100人に1人程度です。
小学校までは夜尿は決して珍しくないのですが、ある調査では誰に相談したらいいかわからないという家族や、受診したくても恥ずかしくて受診できない子も多いようです。夜尿のことを叱られたり、からかわれたりという場面はアニメなどでも取り上げられることがありますが、夜尿は本人が気をつければ何とかなるようなものではないので、このような不適切な対応が続くと心は傷つき、子どもは自信を失います。最近は治療によって夜尿症が改善すること、また夜尿症の小児の心に与える影響がわかってきています。
寝ている間は通常、身体は尿を排出しないように抗利尿ホルモンというホルモンが分泌されています。このホルモンが十分分泌されないと、寝ている間に尿が腎臓で多くつくられて膀胱の中にたくさんたまって我慢できなくなります。
2)夜に膀胱が十分尿をためておくことができない:
寝ている間は、日中に比べて尿をためておく膀胱が1.5倍くらいにふくらみます。しかし、尿をためるための膀胱が十分ふくらまないか、むしろ収縮して小さくなる人がいて、夜尿の原因になります。
3)夜間に尿意を感じない:
睡眠が深く、尿意を感じて覚醒することができないため夜尿が起こります。
寝ている間は通常、身体は尿を排出しないように抗利尿ホルモンというホルモンが分泌されています。このホルモンが十分分泌されないと、寝ている間に尿が腎臓で多くつくられて膀胱の中にたくさんたまって我慢できなくなります。
2)夜に膀胱が十分尿をためておくことができない:
寝ている間は、日中に比べて尿をためておく膀胱が1.5倍くらいにふくらみます。しかし、尿をためるための膀胱が十分ふくらまないか、むしろ収縮して小さくなる人がいて、夜尿の原因になります。
3)夜間に尿意を感じない:
睡眠が深く、尿意を感じて覚醒することができないため夜尿が起こります。
このような3つの原因がいくつか重なることで、夜尿症が起こるのですが、他にもいくつか別の身体の病気が隠れている可能性があります。夜尿症の相談で、児童精神科に来られるお子さんやご家族も多くいらっしゃいますが、泌尿器科や小児科にも同時に受診をお願いしています。もちろん、睡眠の問題や心理的ストレスなどを背景に起こってくる夜尿症もありますので、その場合は児童精神科でも対応します。
焦らないこと、怒らないこと、無理に起こさないことが大事です。就寝前の水分を減らし、日中は定期的にトイレにいく習慣を促すくらいでよいでしょう。自然に良くなるものだと親も子どももおおらかに構えることが一番ですが、そうはいっても合宿や学校行事で自宅以外に泊まったりする機会も出てきます。お子さんが自信をなくしているような場合、「良くなる方法もあるみたいだよ。」と声をかけ、お子さんと一緒に病院に相談してみてください。
治療に関しては、小児科や泌尿器科から膀胱の機能を改善する薬や夜間の利尿を減らす薬が処方される場合があります。