拠点長
「ユニークな一大研究拠点の形成を目指して」
拠点長
横浜市立大学教授
大野 茂男
私は、これまで研究戦略部会の責任者として本プロジェクトに関わってきましたが、このたび平野拠点長の後任として拠点長に就任することになりました。 プロジェクトがスタートしてから7年を経て、世界的にもユニークなイノベーション拠点の形成が大きく進んでいます。ひとつは、横浜市の支援も受けて翻訳後修飾異常と疾患の関係を究明するための施設や高度な解析センターの整備です。そして、産と学の協働研究により、それらを存分に活用した先駆的な研究が大きく進み、医療のイノベーションを示唆する成果も出始めています。翻訳後修飾異常の理解を踏まえた医療イノベーションの推進に向け、拠点の形成に向けた取り組みが、産官学の連携により着々と進められています。本拠点の大きな特徴は、横浜市立大学の先端医科学研究センターの整備と一体的に行われてきている点です。つまり、10年目となる平成29年度にこのプロジェクトは終了となりますが、先端医科学研究センターの整備を踏まえて、10年目以降も産学連携で研究開発を進められる基盤ができることになります。先端医科学研究センターのハード面での整備として、平成24年度には研究棟が完成しました。平成26年度には、その増築工事が始まり、平成27年8月には、3,300m2の拠点施設が竣工する予定です。この段階で、バイオバンク、ゲノム解析センター、プロテオーム解析センター、セローム解析センター、疾患モデル動物解析センターなどのハード面での整備が一段落します。また、産学連携ラボなど産学協働研究促進のための施設も拡充されます。ソフト面では、昨年10月には、先端医科学研究センター専任准教授を3名採用すると同時に、知財など研究推進に向けた事務支援体制の整備、さらに研究審査事務体制の充実と高度化など、倫理面でのシステム改革を含めた、イノベーション推進に向けた改革が、本拠点を中心として全学レベルで進められています。すでに、平野拠点長が述べたように、シーズ研究でも出口研究でも大きな成果が得られる拠点の形成が進んでいますが、今後も、技術基盤・機器の整備、バイオインフォマティクス研究やトランスレーショナル研究の強化、バイオバンクの拡充、URAシステムの確立、拠点のグローバル化などに力を尽くし、多くの企業が集結してイノベーションを創出できる他所にはないユニークな医療研究拠点を協働機関と一体となって創りたいと考えています。今後も、本拠点へのご理解とご支援を心からお願い申し上げます。