横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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日本消化管学会最優秀サイテーション賞受賞

日本消化管学会最優秀サイテーション賞受賞

センター病院の佐藤 知子 先生(助教)が日本消化管学会最優秀サイテーション賞 (Original Article部門) を受賞しました.

受賞論文:
A pilot study of fluorescent imaging of colorectal tumors using a γ-glutamyl-transpeptidase-activatable fluorescent probe.
Sato C, Abe S, Saito Y, So Tsuruki E, Takamaru H, Makazu M, Sato Y, Sasaki H, Tanaka H, Ikezawa N, Yamada M, Sakamoto T, Nakajima T, Matsuda T, Kushima R, Kamiya M, Maeda S, Urano Y.
Digestion. 2015;91(1):70-6. doi: 10.1159/000369367. Epub 2015 Jan 20.

この度,日本消化管学会最優秀サイテーション賞という名誉ある賞をいただきましのでご報告させていただきます.これは国立がん研究センター中央病院で行った大腸癌の蛍光イメージングに関する研究です.
生体内酵素であるγグルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)は,肺癌や乳癌など,多くの癌細胞でその活性が増強していることが知られており,2009年に東京大学 大学院医学系研究科の浦野泰照 教授と米国国立衛生研究所(NIH)の小林久隆 主任研究者が、GGTとの反応により強い蛍光活性を発現する蛍光試薬(gGlu-HMRG)を開発されました.この試薬はそれ自体は無色・無蛍光ですが,少量スプレーし細胞膜表面のGGTと反応すると.数分後には癌組織を選択的に光らせることが可能になるという画期的な新技術です.これまで大腸癌におけるGGT蛍光活性の報告はなく,本論文は、ESD検体を用い早期大腸癌のGGT蛍光活性を研究した初めての論文です.非常に簡便で,内視鏡時の早期大腸癌(平坦病変や微小病変)の発見や取り残しを防ぐ画期的な技術として,今後その臨床応用が強く期待されるものです.この研究をご指導いただいた国立がん研究センター中央病院 斎藤豊先生,東京大学大学院 浦野教授,前田教授をはじめ,ご指導いただいた皆様方に心より感謝申し上げます(佐藤).