7月定例症例検討会

7月21日には定例症例検討会が開催されました。当日は市民総合医療センターの宇賀神医師に症例提示をいただきました。約3年の経過に渡る症例でしたが、解離性障害、精神病危機状態(ARMS)、カタトニア、統合失調症と様々な診断が疑われては修正されと試行錯誤が繰り返されている症例でした。児童青年期の症例では、内的言語が未発達であることもあり、本人が体験している病的体験や奇異な思考過程が言葉として表現されないこともしばしばです。行動化が先行するため、自傷行為や他害行為などがあったあとでもなぜそのようになったのか経過を振り返れないこともあります。時期により多彩な症状が出ては消えするため、診断や治療方針が定まりません。診断が定かではないために、治療方針について明確に子どもや家族に説明できないもどかしさが伝わる症例でした。わからないことは、わからないと保留にし、とにかく丁寧に関係を作り評価を繰り返していくこと、時間経過でみたてていくことの重要性を確認した会となりました。