岩井 知久先生(藤沢市民)の論文が掲載されました.
膵損傷は,外傷の中では比較的稀ですがハンドル外傷で膵体部を中心に深部損傷を生じることがあります.膵管ステントを留置することで膵液漏出を防ぎ膵実質の修復を期待することが出来ますが,不成功となった場合には膵管吻合術や膵尾部切除術など外科的処置が必要となります.本症例は小児の自転車転倒による受傷で,前医でのステント留置の試みが2回不成功となり膵液漏出が被包化され大きな仮性嚢胞を形成した状態での転院搬送となりました.内視鏡的治療は困難と思われましたが,EUSガイド下膵管ドレナージと経乳頭膵管ドレナージのコンビネーションでブリッジングに成功しステント抜去後の現在も元気に通院されています.論文作成に際して前田教授をはじめとして関係者の方々に深謝いたします.(岩井)