三輪治生先生(センター・講師)の論文が掲載されました.
近年,様々な特徴を持った胆道鏡が発売されており,診断および結石治療に使用されています.市民総合医療センターでは2023年よりMicro-Tech社のeyeMAXを導入し,主に9Frの細径スコープを使用しています.9Fr eyeMAXは狭窄部の通過だけでなく,鉗子口径3.2mmのバルーン内視鏡でも使用でき,EUS-HGS/HJSにより作成したESCRルートからも挿入が容易なため,術後再建腸管症例にも有用です.
eyeMAXを使用した結石除去では,これまで電気水圧衝撃波(EHL)を使用してきましたが,胆管結石に対して承認を得たレーザー治療機(LithoEVO; Edap TMS)を使用する機会があり,治療を完遂した症例をE-videoに報告させていただきました.
膵頭十二指腸切除後の肝内結石に対して,当初はバルーン内視鏡下POCSで結石破砕を試みましたが,腸管の癒着が強く結石の正面視が不可能でした.このため,EUS-HGSを施行し,ESCR経由での9Fr eyeMAX挿入,レーザー治療を試みました.こちらも正面視に難渋しましたが,どうにか結石を破砕し終えて,空腸へ除去し治療を完遂しました.
今後も,新たな医療機器を用いて,患者さんにとって有益な治療法を開発していきたいと思います.
論文投稿に際して,前田教授,消化器病センター内科の皆様に御礼を申し上げます.(三輪)