横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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鈴木 悠一先生(センター病院)の論文が掲載されました.

鈴木 悠一先生(センター病院)の論文が掲載されました.

Cross-shaped bridging stenting for malignant hilar biliary obstruction with surgically altered anatomy.Endoscopy. 2025 Dec;57(S 01):E1117-E1118.

高度分断の肝門部胆管狭窄はドレナージに難渋することが多く,特に右葉のドレナージは経乳頭的に難しければPTBDなどの外瘻やEUS-HDS,最近ではEUS-HGSルート(ESCR)からのbridgingなどの高難易度手技が行われるようになっています.今回は術後再建腸管の症例で左葉はEUS-HGS,右葉はバルーン内視鏡下ERCPで前後区に2本の金属ステントを留置していたものの,独立分岐のB6の胆管炎をきたしたためまずPTBDを留置.続いてPTBD内瘻化を企図し,ESCRからB6にかけて既存のSEMS2本を貫いてbridging stent留置に成功した症例を経験したため報告させて頂きました.同様の手技が必要になる症例はなかなかないとは思いますが,高度分断例での一つの選択肢を示せたのではないかと思いますし,何よりも内瘻化を患者さんが喜ぶ姿を見て,成功できて良かったと感じました.

また,この症例は2025年6月の消化器内視鏡学会関東支部例会のKanto Cupで報告させて頂いておりました.結果としては,素晴らしい発表をした藤沢市民病院の曽我先生が第1位で,私のこの発表は第2位という形で,非常に悔しい思いで眠れない日々を過ごしましたが,その悔しさを糧として(?)このように形にすることが出来て良かったです. 最後に,本症例のドレナージ戦略から投稿に至るまでご指導頂いた三輪先生,センター病院で共に闘う先生方,前田教授に心より感謝申し上げます.(鈴木悠一)