三輪治生先生(センター・講師)の論文が掲載されました.
EUS-HGSにおいて,B2穿刺は血管が介在することが多く,穿刺困難な症例を経験します.万が一血管を貫通して胆管穿刺した場合,胆道出血などの重篤な合併症をきたす可能性があり,当院では,遅発性の動脈瘤も経験しています.
血管を避ける方法として,通常は起上装置を上下したり,スコープを引いたりすることがありますが,肝実質に刺入した後に起上装置で角度を変更するのは難しく,B2穿刺で不用意にスコープを引くと経食道穿刺になるなどのリスクもあります.
このような場合,スコープのダウンアングルを強くかけることで対象となる胆管をEUS画面で右方向に移動させることができ,血管を避けながら穿刺できることがありますが,その技術を分かりやすく用いた症例を経験したため,E-videoに報告させていただきました.
センター病院では2024年度以降現在までにEUS-HGS 65件を8名の術者が行っていますが,全例で手技に成功しており,その中で用いた今回のような技術を積極的に報告しています.Interventional EUSは常に最善の方法を探していくことが重要で,全国のライブセミナーや他施設への見学,新規デバイスの情報収集を行い手技の改善につとめています.来年度以降,胆膵専門研修を希望する方はぜひ大学院へ入学していただき,当院での研修をご検討ください.施設見学もお待ちしています.
最後に投稿に際して,ご指導いただきました前田教授およびセンター病院のスタッフの皆様に御礼を申し上げます.(三輪)