井口靖弘先生(南共済病院)の論文が掲載されました.
放射線照射後の食道に生じた食道癌(遺残,再発,異時性異所性新規)について,ESDを行った場合の短期成績と長期成績を調査し報告しました.
粘膜下層の線維化や不明瞭な境界のために,通常の食道ESDよりは難易度が高いものの,良好な治療成績が得られました.
長期予後に関しては,必要に応じてESDを繰り返すことにより食道癌死は見られず,一方で追跡期間中に半数以上の患者に他臓器癌を生じていました.
食道癌に対してRTやCRTを行うことが増えてきていますが,経過観察する際の注意すべき点が記載されていますので,ご一読いただければ幸いです.
本論文作成にあたっても、丁寧にご指導いただきました前田教授へ深謝致します.(井口)