手塚瞬先生(PMDA/神奈川がん)論文が掲載されました.
局所進行切除不能膵癌(LAPC)の患者さんを対象にmodified FOLFIRINOXとGnPを初めて直接比較した多施設共同ランダム化非盲検第II相試験,JCOG1407(本体研究の論文はこちらhttps://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0959804922018160)の副次解析の論文になります.早期腫瘍縮小(Early tumor shrinkage〈ETS〉)について,大腸癌では有用性を検討した論文が蓄積している一方,LAPCを主たる対象として有用性を検討した報告がこれまでなかったこと等を踏まえ,本副次解析を立案しました.結果,JCOG1407において,ETSと全生存期間との相関が示唆される結果が認められました.第II相試験の副次解析であり,検討に限界はあるものの,ETSが実臨床でのLAPCに対する治療戦略の検討に有用なのか否か,discussionにこだわりました。本解析結果が,膵癌の患者さんと共に戦う日常診療やLAPCの今後の治療開発の一助になれば幸いです.
最後に,この場をお借りして,神奈川県立がんセンターの上野先生を初めとする共著者の皆様,日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)のデータセンターの皆様,温かく見守ってくださる前田教授,そして,JCOG1407に参加いただいた患者さんと家族の皆様に心より感謝いたします.(手塚 瞬(PMDA /神奈川県立がんセンター非常勤))