Zhang Y先生の論文が掲載されました.
Lenvatinib radiofrequency ablation sequential therapy offers survival benefits for patients with unresectable hepatocellular carcinoma at intermediate stage and the liver reserve of Child-Pugh A category: A multicenter study.Hepatol Res. 2024 Jul 2.
神奈川の多施設でChild Pugh class Aの intermediate stage HCCに対して,Len RFA sequential therapyとLen monotherapy のdataを後ろ向きに検討.Len RFA sequential therapy(n=25)とLen monotherapy(n=50)のマッチング後の生存期間の中央値を比較すると,それぞれ 38.27か月,18.96m か月であり,有意に予後を延長しました.mRECIST評価で Len RFA sequential therapy は32% (8/25 )がCRを達成し,一方 Len monotherapyでCRは4%(2/50)でした.Len RFA sequential therapy はLen monotherapyよりも予後を改善する可能性があります.これが今回の論文ですが,この経緯を説明します.Lenvatinibは2018年から切除不能のHCCに対して日常診療で使用可能となりました.多くのHCC症例で腫瘍血流を低下させます.最初はそれを単独で使用していましたが,TACEと併用することの有用性を示す論文がでましたので,Len TACEを実施しましたが,腫瘍残存があり,もう一手が必要でした.2018年末から残存部にRFAを追加し,それがLen RFA sequential therapyのはじめでした.だんだんわかったことですが,Lenvatinibを2週間投薬でも多くの症例で腫瘍血流は低下する一方,有害事象がまだでず,RFAを追加することで一過性のAST/ALTの上昇を起こすだけの安全な治療です.Lenvatinib 内服後RFAを追加すると少なくともPRにすることは可能ですので,治療後はLenvatinibの投与量を減らせ,有害事象を減らしつつ腫瘍の増大・再発を抑制します.また大きな腫瘍ではTACE後RFAを追加,またはRFA後SBRTを追加,または3つ治療を逐次実施することも可能です.再発がでてもRFAまたはRFAができない部位はSBRTをその都度追加し,CRを維持することも可能です.Atezo Bevaでも同様の治療を実施しCRを得た経験もあります.薬物治療の進歩とともにHCCの治療にmass reductionという概念が出てきています.(沼田)