三輪 治生先生(センター・講師)の論文が掲載されました.
Differential Diagnosis of Solid Pancreatic Lesions Using Detective Flow Imaging Endoscopic Ultrasonography.Diagnostics (Basel). 2024 Apr 24;14(9):882.
微細血流表示法であるDetective Flow Imaging (DFI)を用いた,超音波内視鏡による膵充実性腫瘤の鑑別診断についてDiagnostics誌に報告させていただきました.DFI-EUSは,これまで胆膵疾患の血流検出能に優れていることが報告されておりましたが,本報告は具体的な鑑別診断法に関する初の報告になります.DFI-EUSは特に神経内分泌腫瘍などの多血性病変の診断に有用ですが,血管途絶像により膵管癌の境界が明瞭になることや,高frame rateによりEUS-FNBの際にも有用であることを併せて報告しております.市民総合医療センターでは,EUS-DFIだけでなく,体外式超音波検査でもハイエンドの超音波装置を利用した低侵襲な精密検査を行っております.また,昨年度より強力集束超音波(HIFU)を用いた膵癌治療(企業治験)も行っており,診断・治療の双方で胆膵領域の超音波の有用性を実感しております.今後も,胆膵癌の早期診断および予後延長を目指してスタッフ一同尽力して参ります.論文作成に際してご指導頂きました杉森一哉先生,沼田和司先生,前田愼教授,いつも支えてくれる消化器病センターの皆様に厚く御礼を申し上げます.(三輪)