石田 彩花先生の論文が掲載されました.
A case of an unreported point mutation in promoter 1B of the adenomatous polyposis coli gene, which is responsible for gastric adenocarcinoma and proximal polyposis of the stomach.Clin J Gastroenterol. 2024 Apr 18.
胃腺癌および近位胃ポリポーシス(gastric adenocarcinoma and proximal polyposis of the stomach ; GAPPS)は,2012年にWorthleyらによって報告された疾患で,胃体部に限局する100個以上の胃底腺ポリポーシス,胃以外に消化管ポリポーシスがない,常染色体優性遺伝を特徴とする疾患であり,報告数は非常に限られています.その原因としてAPC遺伝子promoter 1Bの病的バリアントが報告されています.今回私たちは,GAPPSの症例を経験し,遺伝子パネル検査で,APC遺伝子のpromotor 1Bにおける一塩基変異 c.-191 T > Gが同定されました.この変異は,私たちが知る限り最初の報告であり,論文投稿に至りました.
GAPPSは内視鏡所見としても特徴的であり,今後のさらなる発見につながればと考えています.
論文投稿に際して,熱いご指導とご協力をいただきました,井口靖弘先生,前田愼教授,並びに神奈川県立がんセンター消化管内科,病理科,遺伝診療科,国立がん研究センター中央病院遺伝子診療部の皆様に深謝いたします.(石田)