福地 剛英先生(藤沢市民病院)の論文が掲載されました.
Use of a self-assembling peptide to control complications associated with endoscopic balloon dilation of refractory anastomotic stricture.Endoscopy. 2024 Dec;56(S 01):E267-E268.
本邦において2021年12月から使用可能となった新規止血材(吸収性局所止血材:ピュアスタット)ですが,2022年以降藤沢市民病院では積極的に導入し,その有用性を様々な場面で実感しています.今回は食道術後吻合部狭窄のEBD中に拡張部から出血を来し,同部位に対してピュアスタット塗布が有用であったという報告です.
焼灼回数を低減することで遅発性穿孔などを予防できる点が最も大きな特徴です.
また透明かつゲル状であることから,出血部の視野描出が厳しい場面においても塗布しながら出血点を同定し,同時に止血もできるといったGel immersion hemostasisが可能で新規性があります.
さらに基礎研究で報告されているように,創傷治癒・上皮化のメカニズムにも新規性があり,再狭窄を予防する効果もあるとされており,この点に関して今後検討が必要とされています.
日本では久しぶりに登場した新規止血材であり,今後藤沢発の様々なデータを報告していく予定です.また症例報告から得たいくつかのアイデアを,医局内での多施設共同研究へとつなげていければと思っております.
論文投稿に際して熱いご指導,ご協力をいただきました平澤欣吾先生,前田愼教授,並びに岩瀬滋先生をはじめとした藤沢市民病院消化器内科の皆様に深謝いたします.(福地)