廣瀬俊晴先生(国立がん研究センタ-)の論文が掲載されました.
近年,切除可能食道がんの術前治療においてDCF(ドセタキセル,シスプラチン,フルオロウラシル)療法が標準治療となり,良好な有効性が報告されています.日本では切除可能な食道胃接合部腺がんは一般的に胃腺がんと同じ戦略で,術前治療なしの手術が行われております.欧米においてはFLOT(フルオロウラシル,ロイコボリン,オキサリプラチン,ドセタキセル)療法が周術期で行われ,高い有効性を示しておりますが,有害事象が問題となっています.本研究は日本で標準治療となり安全に施行できるようになったDCF療法を,食道がんと同様の戦略として食道胃接合部腺がんの術前治療で施行した研究となります.一定の有効性と安全性の報告を行うことができ,今後の治療開発における基礎データにしたいと思います.論文投稿に際してご指導,ご協力をいただきました前田教授,はじめ多くの皆様に感謝申し上げます.(廣瀬)