福地 剛英先生(藤沢市民病院)の論文が掲載されました.
藤沢市民病院では内視鏡治療件数が年々増加しており,若手の先生も積極的に処置を行っています.その中でいかに合併症なく安全に治療するかを念頭において診療しています.
今回我々は当院オリジナルの有茎性大腸巨大病変に対する安全な治療ストラテジーを報告しました.
有茎性大腸巨大病変では視野が悪く操作性困難でEMRでは分割切除になる場合もあります。また流入する太い動脈損傷による高度術中出血のリスクが高いといわれています.
こうした病変に対しトラクションバンドを用いて視野を自由にコントロールし,動脈を露出させたうえでクリップにて血管結紮術を行いESDのテクニックで切離しました.
トラクションバンドと開閉可能クリップを応用したシンプルな治療法ですので是非一度ご覧ください.
市中病院でも1例1例に対して最善の治療法や工夫を常に考えていれば,このように形にして外へ発信していけることを強く確信しており,今後も続けて参ります.
論文作成にあたり,前田愼 教授、岩瀬滋 副院長のご指導に感謝いたします.
最後に全幅の信頼を置いている後輩の近藤新平医師をはじめ,藤沢市民病院のスタッフの協力に心から感謝しております.(福地)