横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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福地 剛英先生(藤沢市民病院)の論文が掲載されました.

福地 剛英先生(藤沢市民病院)の論文が掲載されました.

A nerve-preserving strategy for endoscopic submucosal dissection of superficial pharyngeal cancers.Endoscopy. 2023 Dec;55(S 01):E910-E911.

咽頭ESDは市大センター病院時代から数多く経験させていただきました.その中で,咽頭の披裂部にかかる病変を切除する際に白く太い線維があることを不思議に思っておりましたが,実はこれが上喉頭神経の分枝であることがわかりました.耳鼻科領域では,主に喉頭の感覚神経を司る上喉頭神経温存は重要とされておりましたが,詳細な光学的所見は報告がありませんでした.梨状陥凹から披裂部にかけては解剖学的にも構造が複雑ですが,この神経温存を指標にすることで適切な層で剥離切除することが可能となります.通常,消化管内視鏡で神経を視認することはないと思いますが,咽喉頭領域ならではの所見であり,是非一度ご覧いただければ幸いです.また,この温存方法に関して考察した関連研究で,UEGW2023 Best Abstract Awardをいただくことができました.

論文作成にあたり他施設に異動後も懇切丁寧にご指導賜りました平澤欣吾先生,前田愼教授ありがとうございました.市大センター病院の耳鼻科の皆様にも深く感謝いたします.

またEndoscopy誌に何本もPublishされていらっしゃる済生会南部病院の石井寛裕先生には投稿に際しての的確なアドバイスをいただき感謝いたしております.

本論文が少しでもクオリティの高い咽頭ESDに繋がり,患者さんのためになればと思っております.(福地)