活動報告

   学術活動    2021.2.3

報告; AMED研究事業採択
-「新興再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業(4次公募)」-


 2020年1月日本に上陸し、国内をはじめ世界中で多数の感染者・死者を出した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。約1年の歳月が経とうとしており、その研究開発は早急に進んでおりますが、まだそのウイルスとしての特性・特徴が不明な点が多く、治療薬や重症化を示唆する因子などcriticalなものがまだ不明な点が多く、さらなる研究が世界中で求められています。
 当教室は日本でCOVID-19が報告された当初から診療に携わり、病院前活動および臨床部門では関連施設も含み、厳密な集中治療管理を行い、多くの命を救ってきたとともに、患者検体を用いた基礎研究を同大学内の各部署(微生物学・免疫学等)と協力し、日々研究を続けてきました。
 2020年5月 COVID-19研究の追求のため、日本医療研究開発機構(AMED)の「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業(2次公募)」で当教室が研究責任者となり正式採用となりました。(詳細はこちら
 
 その獲得に引き続き、新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業4次公募において、我々が1年間研究をしてきた成果をもとに「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発のための実用的な予後予測・治療スコアの開発と社会実装」という課題のもと、医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(東京都港区)、東レ株式会社(東京都中央区)との産学連携することで採択されました。

・AMED採択情報(4次公募)

 今回採択された研究課題は、先の研究で得られた知見を社会に還元するため、本学学術院医学群 臨床統計学の山本紘司准教授や、湘南鎌倉総合病院、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社、東レ株式会社と共同で、
①臨床情報、予後予測のバイオマーカーを組み込んだ、予後予測・治療スコアリングシステムの開発
②スコアリングシステムを用いた、実用的かつ”目に見える”定量的アプリケーションの開発と有用性の検証
を行います。本事業によって、予後予測・治療スコアを組み込んだアプリケーションシステムの社会実装が実現すれば、医療資源の適切な分配に大きく寄与することが期待されます。
 現在、国内感染拡大の第3波でCOVID-19の患者さんが急増し、まさに限られた医療資源が枯渇しかねない状況にあります。本事業を通じて、科学的根拠に基づいた患者さんの”層別化”を行うためのツールを開発し、医療崩壊を防ぐために、社会への実装化を早急に進めることを目指します。
・プレスリリース

横浜市立大学HPはこちら
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社HPはこちら

 文科省による科研費の獲得はもとより、今回の再度AMEDからの研究費を獲得できることは教室にとって極めて栄誉なことであり、基礎研究を立ち上げ、たった2年強で獲得できたことは。非常に素晴らしいことと思います。
 基礎研究グループリーダー西井基継講師を先頭に、他の基礎研究室・企業とのタイアップも含め、今後もCOVID-19をはじめとし、多くの疾患・病態の基礎研究からの様々なアプローチで、多くの病態解明に努めていきたいと思います。
 引き続き横浜市大救急医学教室として基礎・臨床の両方で活発な活動を続けていきたいと思います